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『きよしこ』
- 2012/10/13(Sat) -
重松清 『きよしこ』(新潮文庫)、読了。

少年きよしの成長記。
吃音症を抱えながらも、しっかりと前を向いて歩もうとする男の子の姿を描いてます。

本作では、吃音症というものが、作品が生まれるきっかけとなり、
また作品の中でも、重要な位置を占めている要素になっていますが、
私は、それ以上に、少年期に何度も引越しをするという要素の方に心惹かれました。

2~3年ごとに、父親の転勤の都合で転校を余儀なくされる少年。
小学生の時に、自分の思い出が2~3年ごとに分断されるのって、
どんなに辛いことなんだろうかと、この本でようやく実感しました。

卒業前に思い出を振り返っても、1年生、2年生のころが分からない。
友達のちょっとした失敗の思い出を共有できず一緒に笑えない。
中学校でいつまで一緒にいられるか分からない。

こんな不安定で不案な境遇に、
10歳になるかならないかの子供が置かれるというのは、
なんと残酷なことなんだろうかと思いました。

私自身は、幼稚園から中学校までエスカレーターで、
高校にも数十人が一緒に入学したので、こういう境遇というのは、
あまり意識したことがありませんでした。
さすがに大学生活は、全く知り合いがいない状況でスタートしましたが、
もう良い年齢ですしね。

ガツガツ前向きに乗り越えようとするわけではないのですが、
肝心な時の踏ん張りが力強いと思う少年のお話に力づけられました。



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重松 清

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