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『笑う警官』
- 2012/09/06(Thu) -
佐々木譲 『笑う警官』(ハルキ文庫)、読了。

北海道警の不正事件の余波として、
1人の警察官が同僚殺しの罪を負わされ、射殺命令までもが出る事態に。
かつて、おとり捜査で彼とタッグを組んだ主人公は、濡れ衣を晴らすために
仲間とともに真相究明に乗り出す・・・・。

与えられた時間は、翌日の10時まで、十数時間しかない状況で、
真犯人逮捕と疑われた警察官の身を守り通すという2つのテーマが与えられます。
この、時間とのせめぎ合いの中で、テンポ良く物語が展開していくので、
一気に読むことが出来ます。
ただ、十数時間で型をつけるために、あまりに早急に真相に辿り着いてしまう感はありますが。

ラストの展開の慌しさも、
主人公の指示のもとに事態が刻一刻と変わっていくので、
一緒に場面をコントロールしているような気持ちを味わえます。

というわけで、読書としては十分に楽しめました。
ただ、ストーリーで、いくつか疑問点も。

そもそも射殺命令って、すご過ぎません???
いくら組織のために生きる警察官とはいえ、見つけたら撃て、しかも同僚を・・・
というのは、ちょっと日本では受け入れにくいのではないかと感じました。

細かい行動判断についても、真犯人を、ある種自由にしてしまう対応は疑問でした。
(その後の展開は十分に予想できたはずです)
それと、裏切り者の動機がいまいちピンと来ませんでした。
一種の保身なのかと思いきや、そうでもなさそうですし・・・。
ま、当人に本文中であまり言い訳をさせていないので、何とも分かりませんが。

あと、時々、場面が変わるときの最終の一文で、
思わせぶりなことが書いてあるのに、結局、何も意味をしないところがあって、
無駄に誘導しようとしているような印象を受けて、やや、そこはイラッとしました。

登場人物の一人が、携帯電話で話している場面を描き、電話相手の会話文を載せずに
「弟さんに・・・・ということを連絡したのだろう」という一文で締めると、
誰か他の人に電話をしていたようにも邪推できます。

これを章の最後にもってこられると、気になって仕方ありませんでした。
でも、後ろのどこにも繋がらず、弟さんに電話していただけという真実。
あんまり思わせぶりな文章を散りばめないで欲しいなぁ。

ま、でも、全体としては、楽しめました。


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佐々木 譲

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