『惜別』
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- 2012/09/03(Mon) -
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太宰治 『惜別』(新潮文庫)、読了。
「惜別」と「右大臣実朝」を納めた中編小説集。 ぱっと開いた2ページが改行無しの全面文字だらけには圧倒されますが、 それでも、リズム感を持って読めてしまうのが、大作家の文章の凄さ。 物語としては、「右大臣実朝」が面白かったです。 わたくし、日本史の中で鎌倉時代は苦手な範囲だったので、 読み始めてから、「あぁ、実朝って、3代将軍かぁ」とようやく気づく始末。 でも、執権の名前とか、戦乱の名前とかで、なんとなく思い出すことが出来ました。 実朝の穏やかさ、知性と、その悲劇の最期とのギャップが、 なんともやるかたない物語です。 ところで、「惜別」が刊行されたのは昭和20年9月5日だとか。 あの敗戦からわずか20日で文学作品が発刊されているとは、 日本人のたくましさに驚きました。
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