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『闇権力の執行人』
- 2012/08/05(Sun) -
鈴木宗男 『闇権力の執行人』(講談社文庫)、読了。

佐藤優本は何冊か読んできましたが、いよいよムネオさんの本です。
もちろん、解説は佐藤優氏。

自らが嵌ってしまった「政治家-官僚-検事」の罠について、
起訴された事件を一つ一つ見ながら、
それぞれの「闇権力」のあり方を告発した本。

外務省の面々を中心に、実名がバンバン登場してきて、
その生々しさは、佐藤本にも勝るとも劣らない出来です。

ただ、ムネオ氏の凄いところは、
これだけ大変な思いをさせられたにも関わらず、
新党を立ち上げて、再び国政の場に戻ってきたことです。
戻った上で、これだけの告発本を書くというのは、
相当の覚悟がなければ出来ないことだと思います。

書かれている過去の出来事の中には、
外務官僚の失態をもみ消そうとしたり、政治家の圧力を駆使して予算を獲得したりという
あまり褒められたものではないところもありますが、
しかし、その瞬間での判断として、
少しの悪も最終的な国益のためなら・・・という考え方は、私は受け入れられます。

もちろん、国益とは何かという根本的な問いや、
各場面での「国益」と「少しの悪」の評価は人により幅があるでしょうけれど、
「国益のために眼をつぶる」という考え方自体は、アリだと思ってます。
あまりに清廉潔白な理想論の元では、外交はおろか、国家の運営なんて出来ないでしょうから。

一般受けする政治家と、骨のある政治家は
なかなか一致しないんだなぁということが、よく分かりました。

あと、ムネオさん、意外とマスコミへの評価は低くないんですね。
自浄作用があるなんて言っちゃって。
これは本気でしょうか?それとも、発言権確保のための戦術ですか?(笑)



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鈴木 宗男

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