『この世でいちばん大事な「カネ」の話』
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- 2012/06/24(Sun) -
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西原理恵子 『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(理論社YA新書)、読了。
まさかの100円で見つけたので、即買い。 ヒット本だとは認識していたのですが、中身については知らずに買ってきました。 サイバラさんによる、毒舌まみれのカネ講座・・・ぐらいの想像でした。 が・・・自分の半生について、「カネ」の観点で語るという内容。 子供時代の貧困、働かずにギャンブルをする父、そして自殺、 美大生時代の資金稼ぎ、漫画家になってからの取材とギャンブル・・・。 まー、壮絶です。 気軽な気持ちで読み始めてしまったら、 こんなに重たい内容で、逆に本が置けなくなってしまい、一気読み。 「生き抜く」とは、どういうことかを学ばせてもらいました。 自分なりの行き方を見つけること。これに尽きるのかなと思います。 そして、私自身の人生とカネを振り返ってみますと、サイバラさんとレベルは全く違いますが、 自分の家の裕福度について勘違いしていた経験は自分もあります。 商店街の中の家に生まれたので、 表は商店、奥が住まいという家の構造は、幼なじみの家に行っても同じ。 だから、自分の生活水準が普通だろうと思ってました。 建物が、木造の我が家と、鉄筋コンクリートの隣家は、 建物を建てた時期が違うだけ、古いか新しいかの違いだと、単純に思ってました。 でも、それは、家の資金力の差なんですよねー。 隣の家の子は、毎年一家でスキー旅行に行くけど、うちは日帰りのアイススケート。 父も母も働いていたので、じいちゃんとスケート。 友達は小学校に入るときに最新式学習机を買ってもらったけど、私は父のお下がり。 ちなみに、弟は父の弟のお下がりの机。 ま、でも、私も弟も、「スケートって楽しいなぁ」「じいちゃん、60歳過ぎてるのに、上手っ!」 「机は字が書ければそれでええやん。てか、これって、アンティーク!?」 なーんて、のんきな冗談を言い合ってました。 そういえば、お小遣いも、親からのお年玉も、無い家でした。 自分のカネは自分で稼げ!という方針で、家業の店でバイトをしました。 小学校2年生で始めて、最初は皿洗い時給300円、出前1回100円ぐらいだったと思います。 はっきりと、自分の家が世間の水準より低い金回りの状態にあると認識したのは、 大学進学を控え育英会に申請を出すに当り、親の年収証明を市役所でもらったとき。 「え、これだけしかないの!?」と衝撃を受け、「私、大学行ってもいいのかしら?」と 真面目に不安になりました。 そういえば、高校受験も、滑り止めは1校しか受けさせないって叱られたなぁ・・・と思い出したり。 正直、当時の父の年収は、今の私の年収の半分以下ですよ。母はさらに2/3ぐらい。 ま、自営業なので、サラリーマン家庭とは違って、 店の経費と家の支出で、いろいろ上手くやっている部分はあるのでしょうが、 それでも、高校生だった自分には、衝撃の数字でした。 自分が、人よりも物欲が無かったり、壊れるまで物が捨てられなかったり、 デザインよりも機能美に惹かれたり、時間の使い方を時給で換算したがったりするのは きっと、この家庭環境から来ているものでしょう。 もちろん、まともな金銭感覚を持ててよかったと、感謝していますが。 子供時代(中学生や高校生の時)に、親とカネについての話をするのは、 非常に大事なことなのではないかと、この本を読んで、改めて感じました。 サイバラさんは自力で学んだようですし、私も、あまり直球で親とカネの話をすることは ありませんでしたが、でも、家族とカネが密接に絡む体験は、 その後の自分の思考回路や価値判断の軸を形成する上で、 非常に大切なものだと実感しました。
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