『ヒアアフター』
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- 2012/06/18(Mon) -
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『ヒアアフター』
震災の影響で、劇場公開が途中で打ち切りになった本作。 冒頭の10分で、その津波のシーンが描かれますが、 波が襲ってきて、人々が飲み込まれる様子や、 さらには主人公にクローズアップして、波に巻き込まれる過程や そばに居た子供を助けられなかったこと、流動物に頭をぶつけて失神する瞬間、 それぞれをあまりにリアルに描いていて、震災当時にこの映像は見れないわ・・・と納得。 しかし、裏を返せば、そもそもスマトラ沖地震で同じように津波被害に遭った人たちが 大勢居るはずであり、数年経てば、こういうふうに映像化されて バンバン流されるようになるというのは、残酷なものだと感じてしまいました。 (きっと、日本の震災も、数年したら、非難轟々の中で映像化されていくんでしょうね・・・) また、自然災害は、一度に大勢の人が亡くなるので、 本作のように関係者に配慮した措置が取られますが、 交通事故、病気、犯罪被害などで、無念の死を遂げた人の遺族の方にとっては、 個人的に耐えられない、直視できない映画というものが、やはりあるのだろうなぁと思いました。 リアルというのは、時に、容赦の無いショックを与えますからね。 てなわけで、映画を観ながらそんな感想を抱いていたということは、 あまりのめりこめなかった証拠でございまして・・・・・。 主人公3人それぞれが背負っている悲しみは理解できるのですが、どうにも共感に至らず・・・・。 「自分勝手」というと言葉がキツ過ぎるのですが、 自分が抱えている困難に向き合うときに、 あまりに不用意に周囲の人を傷つけているような気がしてしまいました。 また、3人が出会うまでの過程が長すぎて、ちょっと気持ちもダレてしまいました。 心が休まる場面が、あまり無いんですよね・・・・。 で、最後のシーン。 意味深な終わらせ方。 自分で想像しろってことなんでしょうけれど、 ここまで隠されると、「想像」ではなく「創造」になってしまうのではないでしょうか。 やや突き放し過ぎな気がしました。 というわけで、映画そのものよりも、震災や個人的な災難について考えさせられた作品でした。
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