『戦略的思考とは何か』
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- 2012/05/26(Sat) -
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岡崎久彦 『戦略的思考とは何か』(中公新書)、読了。
日清戦争~日露戦争~WWⅡを中心に、 日本の周囲の軍事的均衡状態もしくは瞬間的な崩壊の過程を描き、 日本が国防のために取るべき戦略を語ります。 まずは、明治~大正時代の日本の近隣諸国の状況を描いていき、 それぞれの国が持つ思惑を明確にしていきますが、 分かりやすい整理で、読みやすかったです。 研究者の間で一般的に認知されている事項と著者の個人的な判断とが書き分けられていて、 その点でも信頼できる描写です。 そんな環境下で日本がどのように判断してきたか・・・・。 封建社会から一気に近代化を図った明治時代、 なぜそのような急展開が可能であり、また、それを成功しえたのか。 優秀なトップリーダーたちが、思うように国を動かしたから。 この一点に尽きるような気がします。 思うように国を動かしたと書きましたが、 それが、決して一人の傑出した人間による独裁的な判断だったのではなく、 優秀なトップリーダー「たち」が十分な議論をして決めていたところに、 近代日本の強さがあったのだろうと思います。 このような一種独特な合議制が成立しえたことに、 なんと日本という国は幸運だったのだろうかと思わずにいられません。 よく高度経済成長が奇跡として語られますが、 あれは外部環境などのレールに上手く乗った側面も大きいように感じます。 それよりも、日本人自らの力で国を創り動かした明治の時代は、 その後の日本人の様子と比較すると、まさに奇跡だと思います。 全く個人的な感覚論になりますが、 傑出した政治家を生む土壌は、団塊の世代やその直下には無いような気がしていて、 もう一段若い世代から、新生日本を引っ張っていくようなリーダーが 生まれててこないかなぁと期待しています。 ま、自分自身が、そんな他力本願なことではいけないのですが・・・・。
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