『インシテミル』
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- 2012/04/24(Tue) -
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米澤穂信 『インシテミル』(文春文庫)、読了。
面白かった! 普段は、あまりにも現実世界からかけ離れた設定でになりがちな クローズド・サークルものって好みではないのですが、 本作には、のめり込めました。 「この破格の給料は誰が出すの!?」 「SHMクラブってどんな組織なの!?」 「暗鬼館のハイテクさは何なの!?」 「そもそも何のためにこんなことやってるの!?」 これらの根本的な疑問に一切答えることなく(爆)、物語は終わってしまいます。 ここまで、クローズド・サークルそのもののリアリティを無視して物語ってしまう度胸に ある意味、胸を打たれました(笑)。 ここまで割り切って描くなら、こちらも頑張ろうじゃないかと、 12人のリストを作ったりしてガッツリと取り組みました。 12人が閉じ込められて、殺し合いの準備が整ったとしても、 どうやって殺戮が始まるかの切っ掛けが重要なのですが、 本作では、その端緒となる出来事の納得感は十分にありました。 もちろん、その後の殺されていく理由も、それぞれに納得。 各人の行動も、突飛なものはあまりなく、 考えられる範囲で合理的に動いているように感じたので、 作者の都合での無理な行動は、目に付きませんでした。 これにより、気持ちに水を差されることなく、最後まで一気に楽しめました。 主人公の結城のキャラクターが、 序盤と終盤で、結構、受ける印象が変わってくるのが気になりましたが、 まぁ、なんとか1つの人格には収まっていたと思います。 外面的には「演技でした」「隠してました」で通りますが、 内面の描写は、ちょっと恣意的だったかなと感じました。 あと、キャラクターで言えば、須和名には、ちょっとガッカリ。 もう少し、「えーっ、こんな人だったの!?」的な展開があると期待したのですが・・・。 そして、安東、割と好きなキャラでしたが、 映画版のキャスティングを見たら、なんと北大路欣也(苦笑)。 お前、何歳なんだよ!
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