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『樅ノ木は残った』
- 2012/03/22(Thu) -
山本周五郎 『樅ノ木は残った』(講談社)、読了。

丸っと1週間かかってしまいました。
しかし、この作品は凄い重みをもって、読む側に迫ってきます。
毎晩、本を手に取るのが楽しくて仕方ありませんでした、

仙台・伊達藩に起こった御家騒動の顛末を、
一家臣である原田甲斐の視点で描いていきます。

導入部、誰が黒幕なのか分からない状態で事態が進行していきますが、
サスペンスものかと思うほどのドキドキ感を覚えました。

やがて、各人物の関係性が分かってくるのですが、
お家のために、悪だくみグループの中に潜入する作戦をとった甲斐。
当然、もともと周囲にいた家臣団たちと距離ができ、やがて絶交になってしまう者も。
このあたりの悲哀が、甲斐が飄々としている分、一層強く漂ってきます。

そして、江戸では上品過ぎるほどに振舞う甲斐は、
地元に戻ると山にこもり、獣を追いかけ回す狩人の一面も持っています。
山でしか本音が出てこないというところにも、彼の内面の閉塞感を感じてしまい、
非常に重苦しいものがあります。

ここまでの苦労を重ね、何とか状況改善に努めようとしながらも、
状況の悪化を防ぐのが精一杯という日々が続き、次第に追い詰められていく甲斐。
最後は、どんな結末になるのだろうかと大きく期待が膨らんでの、最後の十数ページ。

この展開は、想像していませんでした。
歴史好きの方には良く知られている事件なのかもしれませんが、
歴史という現実だからこそ生まれた、劇的なエンディングだったと思います。

山本周五郎の歴史長編、他にも挑戦してみたいですね~。


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