『<戦争責任>とは何か』
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- 2012/02/25(Sat) -
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木佐芳男 『<戦争責任>とは何か』(中公新書)、読了。
自分で買って来たにもかかわらず、「小難しい本かなぁ・・・・」と二の足を踏んでいた本作。 河村たかし名古屋市長の南京問題発言があったりして、 タイミング的に手にとって見ました。 内容は、日本とともに第二次世界大戦の敗戦国となったドイツにおける 「戦争責任」の捉え方、そしてその反省や補償に関する経緯を追ったものです。 明快な文章で読みやすく、また構成もしっかりしているため、分かりやすかったです。 何よりも、ドイツ国民がナチズムという悪魔をどのように「利用」してきたのか、 それを、「戦時中の利用」、そして「戦後における利用」という側面で考察していく内容が 非常に興味深かったです。 たしかに、ナチに全ての責任を押し付ければ、過去の清算は簡単です。 日本でも当時の軍部の責任として押し付ける論調はありますが、 一方で、天皇の座が継続していたという事実により、その議論は複雑なものになっています。 自分達が起こした戦争を、 後になって、上手く総括しきれる国民などいないでしょう。 どんな大義名分があろうと、勝とうが負けようが、大きな傷は残ります。 これを克服するには、その後、国が栄えるしかないのだと思いました。 戦争の暗い過去を思い出す暇が無いほどに、「今」が忙しくなれば、「未来」が開けていれば 相対的に、過去を見つめることへの比重は下がるでしょうから。 それは、決して、過去の過ちを反省しないという姿勢なのではなく、 過去の過ちを繰り返さないように、前を向いて生きるということではないか思います。 過去の問題が大きな社会問題と上がってくるのは、 不景気なとき、閉塞感があるとき、国民に元気が無いとき。 将来の友好的な関係のために過去をともに振り返ることができる日が来るように 私達が頑張らなければいけないと思います。
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