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『神様のパズル』
- 2012/01/31(Tue) -
機本伸司 『神様のパズル』(ハルキ文庫)、読了。

ここまで物理学をテーマにガッツリと取り組んだ小説には初めて出会ったかも。
というか、物理に限らず、自然科学の学術世界を描いた作品は珍しいですよね。

時代は、今よりも少し未来。
精子バンクを利用することで生まれた天才児がたった9歳で発想した
「重ヒックス粒子」の観測装置のテストが迫った状況下で、
このプロジェクトを遂行する教授のゼミでは、「宇宙を作ることはできるのか」を
ディベートすることになる・・・・・。

うーん、上手く要約出来ないです(苦笑)。
物理学の知識云々ではなく、物語の設定がいろいろ特殊なんです。

この物語に登場する物理学のお話は、ほとんど理解できませんでしたし、
どうやら、著者も理解させるつもりで書いているようではないので、
ふーん・・・・と読み飛ばしつつ、物語のほうに影響がありそうな要点だけを
ピックアップして理解していくような読み進め方になりました。

なので、物理学的に、どれだけ信憑性のある話なのか、
それとも荒唐無稽な話なのかは、私には評価できません。

でも、ディベートの戦術みたいなところは、面白く読みました。
あと、この研究プロジェクトが世間の批判に晒される過程の描写も興味深かったです。
結局、私は、社会科学的な観点で、楽しんでいたようです。

ひとつ気になったのは、このゼミのテーマの発端となった聴講生のおじいさんの疑問。
「宇宙が無から出来たというなら、なぜそこらじゅうにある無から宇宙は出来ないのか」
この後段の部分が腑に落ちないんです。
「そこらじゅうにある無」って、一体、何のことを言っているのでしょうか?
「宇宙は作れるのか」という疑問よりも、私は、「そこらじゅうにある無とは何か?」の方が
気になって仕方がありませんでした。
このおじいさんの疑問が、私には根源的に分かっていないのですから。

読み終わった今も、分かっていません。
皆さんは、自分の周りに「無」があると感じているのでしょうか?
うーん、謎。

あと、本作を小説として見た場合、
無駄な要素を取り込みすぎなところがあると感じました。
ゼミ内カップルの誕生とか、盗撮ビデオのくだりとか、お父さんの話とか。
そして、最後の人格変貌に関しては、あまりにも取ってつけたような大団円で、
ちょっと拍子抜け。

どんなに斬新なテーマを扱っていても、
小説としてのエンディングは、やはり読後感に影響しますから、
きっちりと作りこんで欲しかったなぁというのが、感想です。


神様のパズル (ハルキ文庫)神様のパズル (ハルキ文庫)
機本 伸司

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コメント
--
これちょうどブロ友さんの愛読書ということで
「読んでみよ」って思ってた本です。
漫画や映画にもなってるんで人気作みたいですね。
ラストちょいいまいちな感じですか?
私も読んでみます^^
2012/01/31 09:34  | URL | Happy Flower Pop #-[ 編集] |  ▲ top

--
Happy Flower Popさま

CMありがとうございます。
基本的には楽しんで読めました。ゼミでのディベートのシーンとか、天才少女の攻め方が面白かったです。
ラストは、私の好みの問題かもしれません(笑)。壮大な宇宙を相手にした物語なので、大団円が似合っているのかも。
物理をテーマにした小説って、なかなか出会えないと思うので、読んでみると新鮮さを感じられると思います!
2012/01/31 20:15  | URL | かもめ組 #obYDgEv2[ 編集] |  ▲ top


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