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『勇者は語らず』
- 2012/01/28(Sat) -
城山三郎 『勇者は語らず』(新潮文庫)、読了。

本作も面白く読めました。

自動車メーカーの部長と、その下請け会社の社長は、
かつて中国戦線で一緒だった戦友の関係。
目的達成のためにはぐいぐい押してくる部長に対し、
「受けの山さん」のあだ名がつくほどの下請社長。

日本の自動車メーカーがアメリカに進出した創世記から貿易摩擦の根源として
バッシングに遭うようになった時代までを背景に、2人の男を描いていきます。

それぞれが置かれた立場、2人の人間関係、家族との関係、社会背景などが
上手く絡み合って、非常に興味深い作品に仕上がっています。
日本の自動車業界の奮闘の歴史をコンパクトにまとめた良書だと思います。

一方、本作の前半で、「ST」と呼ばれる一種の自己啓発セミナーのような
研修の模様の描写にページを割いていますが、
この研修を、最初から最後まで、好評価しているところが意外でした。

参加者に忍耐の時間を与え、攻撃的なまでに本音をさらけ出させることで
自分の壁を突き破らせようとする研修があることは知っていますが、
プラスに作用する人、マイナスに作用する人、それぞれいると思うんですよね。
人格を否定するような部分もあると思うので、
参加者全員がハッピー(もしくは前向き)になるとは思えないんですよね・・・。
ま、参加したことないから、想像での発言ですが。

最近は流行らない手法なのではないでしょうかね。
なんだか、そんなところにも、イケイケドンドンの時代を感じる作品でした。


勇者は語らず (新潮文庫)勇者は語らず (新潮文庫)
城山 三郎

新潮社 1987-04
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