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『地唄』
- 2012/01/25(Wed) -
有吉佐和子 『地唄』(新潮文庫)、読了。

以前、「有吉短編は合わないかも・・・」と書いたのですが、
本作は、非常に面白かったです。
有吉先生、失礼しました・・・・・。

音曲、日本舞踊、歌舞伎、浄瑠璃と、日本の古典芸能の世界を舞台に、
新旧交代の波や、職人気質の人々の生き様を描いていきます。

今現在では、あまりに日常生活とかけ離れた「古典芸能」の世界、
いわば、高尚な芸術作品となってしまっているこれらですが、
本作では時代を昭和三十年代に取っているため、
まだ、今よりも、日常生活の中のひとコマとして、これらの芸能が存在しています。

そんな状態での、新旧交代の姿は一層と切実な感覚を伴っており、
描写の一つ一つが身に染みてきます。

ビジネスマンの感覚からすると割り切れないようなレベルの師弟関係、
合理性無視の仕事ぶりの追求、観客の声に対する感受性、
それらが、読んでいてストンと落ちるように、見事に描かれています。

私の世界にはなかなか見られないことだけど、
彼らの世界にはあって当然のもの、あるべきものなのだというように
すんなりと理解ができるのです。

これは、著者の構成力、描写力、物語力の素晴らしさに他なりません。

いずれの古典芸能の世界も、自分の興味関心の枠からは外れていましたが、
非常に興味深く読むことが出来ました。


地唄 (新潮文庫 あ 5-4)地唄 (新潮文庫 あ 5-4)
有吉 佐和子

新潮社 1967-11
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