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『アヒルと鴨のコインロッカー』
- 2011/10/26(Wed) -
伊坂幸太郎 『アヒルと鴨のコインロッカー』(創元推理文庫)、読了。

大ヒット作を、やっと100円で入手できました。
今の伊坂ブームの火付け役に当たるのかな?

ぐいぐい読ませるところはさすがです。
2つの時間軸を効果的に使ってみせる技術も上手い。
キャラクターも、トンデる人たちで面白い。

だけど・・・・動物虐待という行為が、どうにも重い陰を落としています。
そして、読み進むにつ入れて、「あぁ、どう考えても、XXがXXということになるんだろうなぁ」と
暗く重い予感が付いて回ります。
この、どよ~んとした気持ちが、とってもしんどかったです。

主人公が、状況に流されやすいやや軽めのキャラクター設定なので
文章はリズミカルに展開していくのですが、
それでも、やっぱり、動物を残虐に殺す描写がところどころに表れるのは
やりきれなかったです。

『重力ピエロ』といい、本作といい、
しんどいテーマを、ポップなキャラクターに語らせるというのは、
伊坂作品の特徴なのかもしれません。
この手の作品は、読む側の心理状態や体調にも左右されるかもしれませんね。

このテーマが、ヒットという形で世間的に受け入れられているのだと考えると、
ちょっとショックだなぁ。

もろ手を挙げて「面白かった!」とは叫びにくい作品でした。


アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
伊坂 幸太郎

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コメント
-こんにちは!-
『アヒルと鴨のコインロッカー』、私もつい先日読了しました~。
よく出来た作品だとは思いますが…確かに後味は悪いですねぇ。
いくら「この小説の製作において、動物に危害は加えられていません」というクレジットが入っていたとしてもv-356
2011/10/27 16:12  | URL | 本読み人M #-[ 編集] |  ▲ top

--
本読み人Mさま

CMありがとうございます。
そう、よく出来た作品だとは思うんです。
思うんですけど・・・ねぇ・・・といったところです。
虐待者たちの動機が「愉快犯」ということ以外に全く語られないことも
どよ~んとした気持ちに拍車をかけるのかもしれません。
2011/10/27 19:52  | URL | かもめ組 #obYDgEv2[ 編集] |  ▲ top


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