『隣りの女』
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- 2011/10/23(Sun) -
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向田邦子 『隣りの女』(文春文庫)、読了。
迷える女性の内面を描かせると、流石ですね~。 しかも、一見、どこにでも居そうな女性に、ちょっとウィットのある言葉を吐かせる、 この味の利かせ方が上手く、また不自然ではないのです。 女性のずるい一面を描きながら、 その女性自身が、自分のずるさを自覚し、自虐的な言葉を吐く。 そこに、あまり嫌味を感じません。 一家の大黒柱が、ある日突然、若い女の下に奔る・・・ このようなテーマを扱った作品が2つありましたが、 その中でも、「胡桃の部屋」が印象に残りました。 一人、必死になって、父親が居なくなった家を守ろうとした長女、 しかし、父親をはじめ、家族はみんな「適当に」自分の人生を歩んむ術を身につけていた・・・。 長女としては、身につまされる話でした。 もちろん、私の父は、ちゃんと母のもとに居ますけど(笑)。 一文、一文が短い中で、 リズム感を持たせながら端的に描写をしていく技術に酔えます。 良い作品集でした。
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