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『魔女の1ダース』
- 2011/08/26(Fri) -
米原万里 『魔女の1ダース』(新潮文庫)、読了。

「正義と常識に冷や水を浴びせる」というサブタイトルにあるように、
いろんな思い込みを破壊してくれる一冊です。

「イスタンブールの日本人」「バルナのイラン人」「奈良のロシア人」というように、
母国ではない場所での人々の行動、そこで起きる文化のズレや摩擦、
その様々なエピソードが興味深かったです。

皆、自分が生まれ育った環境に沿った尺度で行動していて、
すべてが相対であるということ。

世界には、声の大きい国と、そうではない国があり、
何となく世界の標準が定められつつあるように見えてしまうけれども、
それは、その国の傲慢さと、また、それに追従してしまう日本の弱さによるものなのでしょう。
同じ追従でも、吉田茂のような戦略的追従なら、頼もしいんですけどね。

本作では、日本とロシアに限らず、
様々な世界や民族の話がてんこ盛りだったので、
比較文化論的に面白かったです。

また、いつも感じることなのですが、米原万里さんは文章が面白い!
文章のリズム感、簡潔ながら迫力のある筆致、起承転結の意外性、
これらをトータルすると、「語る力がずば抜けている」と言えるのではないでしょうか。

さすが、名通訳者。
知的な世界と、日常世界の間さえも、上手につないでくれます。


魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)
米原 万里

新潮社 1999-12
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