『誰か Somebody』
- 2011/08/22(Mon) -
宮部みゆき 『誰か Somebody』(文春文庫)、読了。

事故でなくなった会社関係者の娘さんから、故人の生涯を辿る本を出したいと相談された主人公。
半分仕事という位置づけで関わり始めたら、次第に過去の事件が見えてきて、
そして、現在の問題も見えてくる・・・・。

巨大グループ会社の会長の娘婿、しかもその娘は愛人の子という、
主人公の微妙な立場が、面白い味付けになっていたと思います。
仕事の実力重視というよりは、婚姻関係により担っている感のある社内報担当という役職。
その仕事の自由度と、立場的に使用できる力とが、
本作の主人公に必要な行動力を与えていて、納得感がありました。

また、彼を取り巻く、奥さん、義父である会長、毒舌の実母など、
サブキャラも光ってました。個人的には実母の毒をもっと読みたかったのですが・・・。

本題の探り当てた過去については、一般人の身に起きるにはちょっと大き過ぎる気もしましたが、
辿っていく過程を適度に楽しめました。

主人公は、探り当てた過去や、周りで起きた一つ一つの出来事を
自分なりに咀嚼して、また自分の身に置き換えて考えたりするので、
本題の過去を探るという行動以外の描写も多々出てきます。
普段は、その手の主人公を、それを饒舌過ぎて鬱陶しいと感じてしまうことが多いのですが、
本作では意外とすんなり受け入れられました。
これは、彼の奥さんや娘さんのキャラがあってのことかな。

最後は、ハッピーエンドというものではありませんでしたが、
現実とはこんなものなのかもしれませんね。


誰か―Somebody (文春文庫)誰か―Somebody (文春文庫)
宮部 みゆき

文藝春秋 2007-12-06
売り上げランキング : 178257

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ


関連記事
この記事のURL |  宮部みゆき | CM(2) | TB(1) | ▲ top
<<ダイビング @熱海 | メイン | 『特殊防諜班 連続誘拐』>>
コメント
--
ちょうど我が家で購読している新聞の新聞小説が宮部さんの「ペテロの葬列」って本で、この杉村シリーズです。
第三弾なのですが復習的なこともあって「そうか」「そうか」と読んでます。
「誰か」も家にあるので読み直したい気持ちもあるんですけどね~。
毎回の事ながらいつになりますか(^^;)
2011/08/23 13:31  | URL | igaiga #jWiXvKEs[ 編集] |  ▲ top

--
igaigaさま

CMありがとうございます。
シリーズ化されているんですね!
登場キャラクターたちが素敵だったので、
他の作品も読んでみたいです。
ま、まずは、積読の解消が先なのですが・・・。
2011/08/23 23:07  | URL | かもめ組 #obYDgEv2[ 編集] |  ▲ top


コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/2584-cc700fa5
-宮部みゆき「誰か」-
文春文庫2007年12月 第1刷2010年12月 第13刷解説・杉江松恋458頁 主人公は今多コンツェルン広報室の杉村三郎彼の妻・菜穂子は、三郎曰く「どんな年齢にみえるときも美人」そして、今多コンツェルン会長の娘(庶子ではありますが)なのです穿った見方をすれば、逆玉の... …
2017/01/25 08:05  読書と映画とガーデニング ▲ top

| メイン |