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『震度0』
- 2011/08/13(Sat) -
横山秀夫 『震度0』(朝日文庫)、読了。

久々に骨太の長編小説に当たりました。
夜を徹して読んでしまいました。

県警の刑務課長が突如失踪した。
その行方を捜すどころが、この事件をネタに、権力闘争を行う部課長クラスの面々。
そんな組織と個人の論理を書き込んだ作品です。

経歴と将来を背負って行動する男、
自分の職務のプライドにかけて譲らない男、
保身に走る男、
思わぬ裏面を持つ男、
そして、旦那のために動く妻、
妻同士の牽制のし合い、
様々な要素が絡み合い、しかも、最後、見事に一つの事実に収斂していきます。

失踪事件の真相は、ある意味、拍子抜けするような結末かもしれませんが、
しかし、それが逆にリアリティを想起させます。
むしろ本作は、権力闘争を描こうとしていると思うので、
舞台装置に過ぎない失踪事件のオトシドコロとしては、良い線だと感じました。

冬木の嫁のキャラクターだけは納得がいかなかったのですが、
(なぜあの上昇志向の塊が、こんな女性を選んだのかと・・・、しかも許容しているのかと・・・)
それ以外の登場人物たちの人物造詣、性格描写はお見事。
個人的には藤巻部長にちょっと肩入れして読んでいました。

こういう権力闘争ものは、
自分が大きな組織の中にいればいるほど、
実感を持って面白く読めるだろうなと感じました。


震度0 (朝日文庫 よ 15-1)震度0 (朝日文庫 よ 15-1)
横山 秀夫

朝日新聞出版 2008-04-04
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