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『トーキョー・プリズン』
- 2011/07/31(Sun) -
柳広司 『トーキョー・プリズン』(角川文庫)、読了。

戦後の巣鴨拘置所で起きた殺人事件の謎解きに
NZ人の私立探偵と拘置されているB級戦犯とがタッグを組んで取り掛かる・・・。
こんな風にまとめてしまうと、なんだか違う話のような感じになりますね(苦笑)。

B級戦犯自身、戦争当時の記憶を失っており、
また脱獄を繰り返すために独房に閉じ込められている始末。

そこに、占領者と非占領者の関係が最も先鋭的に表れる拘置所という環境、
米軍における人種差別構造、東洋と西洋の文化の相違など、
様々な要素が絡み合っており、要は、詰め込みすぎな感じ・・・。
結局、どれもが中途半端になってしまった印象を受けました。

ミステリーとして読むと、後半は、謎のほうから明るい場所に出てきてくれるので、
謎解きのカタルシスは、あんまりありません。

作品の冒頭で輝かしく描写されたキジマの観察力と推理力も、
要素としては後半も出てくるのですが、ビビッドな形で描かれることはなく、
なんだかパワーダウンな感じ。

ただ、戦後の東京と日本人の描き方としては、なかなか興味深い形式だと思いました。
ミステリーより文化論としての面白みがあるというのは、
『はじまりの島』と同じ感想ですね。

これからも、文句を言いつつも、この作家さんの本は読んでしまう気がします。
歴史好きとしては、新しい切り口で見せられるところに惹かれてしまいます。


トーキョー・プリズン (角川文庫)トーキョー・プリズン (角川文庫)
柳 広司

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