『切羽へ』
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- 2011/06/24(Fri) -
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井上荒野 『切羽へ』(新潮文庫)、読了。
直木賞受賞作。 著者の名前を知ったのは、この受賞のニュースででした。 他に2作品読んでから、いざ、受賞作へ。 まず、主人公夫婦の日常生活の描写に、少し驚いてしまいました。 いわゆる普通の夫婦なのですが、その情愛の細やかさに、 当てられてしまったのか、なんなのか、 不躾な性描写よりもドギツイ生々しさを感じてしまいました。 小説をたくさん読んでも、意外と、普通の夫婦の情愛という描写には出会わものだと 気づいてしまいました。そして、私は、あまりこの世界を好んでは見たくないと 感じていることも、わかってしまいました。 ストーリー的には、あまり大きな出来事は起こりません。 1年と少しの間に、とある島に起こる些細な出来事を書き連ねていきます。 しかし、そこに物足りなさを感じることはありませんでした。 エピソードの切り取り方がうまいです。 著者の小説書きとしての力量を実感できる作品です。 ただ、私個人の好みには合わない作品でした。
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