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『宴のあと』
- 2011/06/23(Thu) -
三島由紀夫 『宴のあと』(新潮文庫)、読了。

「プライバシー裁判」で教科書にも載ってしまうような作品ですが、
そんな下世話な話を抜きにして、小説として面白かったです。

まず、何よりも文章が読みやすい!

どうにも、私は、三島作品に対して心理的距離を感じているようで、
いつも作品を読むたびに「意外と読みやすかった」という変な印象を持ってしまうのですが、
本作でも右に同じくでした(苦笑)。

都知事選に打って出た、いわゆる「一昔前の偉人」が、
政治という世界の価値観を掴むことができずに、落選してしまいます。

そんな男の妻として選挙を戦い、料亭の女将として金銭的にも支援し、
選挙に敗れた後は、その敗戦処理をいかにも「政治的に」行う手腕を見せる主人公。

この対比が、非常に面白かったです。

そして、決して、政治の世界の理屈が分かっているわけではないのに、
女将としての肌感覚や、人間を見極める目を持っていることで、
いっぱしの政治感覚を本能的にもっているところが、興味深く感じられました。

特に、この女将の目を通して評価される「老人」や「男」というものの
冷静な分析は、非常に面白かったです。

やはり、一時代を築いただけあって、三島作品は面白いです。


宴のあと (新潮文庫)宴のあと (新潮文庫)
三島 由紀夫

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