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『シャドウ』
- 2011/06/16(Thu) -
道尾秀介 『シャドウ』(創元推理文庫)、読了。

「ちょっと体がだるいなぁ・・・今日は早く寝よう」と夜10時に布団に入り、
「でも、さすがにすぐには寝付けないよなぁ」と、本作を手に取ったのが最後、
一気に読み通して、結局、寝たのは2時でした(苦笑)。

ところどころに違和感を感じさせる一文が入っていて、
「あ、今、何かトラップが仕掛けられたぞ」と思うと、
その謎を解きたくて、いてもたってもいられなくなり、結局一気読み。

何人かの登場人物の目を通して、
あくまで主観的に物事が描写されていきます。
なので、「あれ、この展開おかしくない?」「この反応おかしくない?」というのは
ある程度気づくことが出来ます。
例えば、お父さんの置かれた状況は、途中で気づけました。

が、
がっ!
最後のどんでん返しまでは、とてもじゃないけど、予想できませんでした。

いろんな人が「行動を思い立つ」という機会が
ある数日の間に集中しているのは、若干、都合が良過ぎるかな・・・という気もしますが、
全ては、一人の女性の死から始まっているということで、
ま、なんとか納得できるラインに収まっています。

物理学における「重力」や「作用・反作用」の観点から、
この展開はありうるのかしら?と思ったシーンが一つありましたが、
ま、そこには目を瞑りましょう。

それよりも、人間の主観というものが、どれだけ偏ったものなのか、
この作家さんのどの作品を読んでも、その観点に驚く始末です。
今回は、叙述トリックではなく、登場人物たちの主観の頼りなさという点で、
そこを強く認識しました。

人間とは、不思議な生き物です。


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道尾 秀介

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