『渋谷ではたらく社長の告白』
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- 2011/06/02(Thu) -
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藤田晋 『渋谷ではたらく社長の告白』(幻冬舎文庫)、読了。
正直、サイバーエージェントという会社は、 企業名は知っているものの、どんな会社か分かっていませんでした。 アメブロなんかを運営していることは知っていますが、 あまり、事業の独自性を理解できていなかったのです。 で、この本を100円で見つけたので、読んでみました。 ITバブルに乗って急成長した会社の内実を、実に生々しく、赤裸々に描いています。 熱気はあるので一気に読める本でしたが、その一方で、空疎な印象も強く残りました。 なぜなら、核となる事業に対する思いが伝わってこないから。 「21世紀を代表する会社を作りたい」というフレーズが何度も出てきますが、 「代表だ」と言い張るための指標が、売上や時価総額、史上最年少上場といった 数字でしか表されないのです。 「新しい技術を提供する」「新スキームを構築する」「人々の生活を変える」 そのような、事業の内容における思いや信念が、全くといってよいほど語られません。 サイバーエージェントとしての最初の商品が、 他社が成功していた事業モデルを丸々コピーしたものであったことが 素直に描かれていますが、まさに、彼にとって商品とは、会社を大きくする手段でしかないのです。 提供しているサービスや技術への思いがないことが見えてしまったため、 顧客への思いも無いのではないかと疑わざるを得ません。 そして、まさにそのとおり、本作の後半は、株主対応のことしか出てきません。 著者が持つエネルギーは感じられましたが、 経営者としての魅力は、いまいち伝わってきませんでした。
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