『本を読む女』
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- 2011/03/18(Fri) -
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林真理子 『本を読む女』(新潮文庫)、読了。
林真理子作品は、最初に『星に願いを』を読んだせいか、 ユーモアに溢れる軽めの作品という思い込みがありました。 で、本作も、『本を読む女』というタイトルから、 ちょっと斜に構えたような主人公でも出てくるのかと思っていたら、 思いのほか真面目な内容で、やや拍子抜け。 「読書が何よりも好き」「自由に生きたい」「結婚なんてとんでもない」 大正生まれでこの発想をする女の子は、 トンでる印象を受けますが、ところが彼女は行動が中途半端。 最初は息巻くのですが、ちょっとつまづくと、後は流されてしまうのです。 このつまづきを真面目に描写するので、 読んでいて、結構、鬱々としてしまいました。 あっけらかんと描いてくれれば、もう少し違った印象を受けたかもしれません。 ただ、この主人公の流され方には、 自分の姿が見え隠れするから、鬱々としてしまうのだろうと思います。 何かきっかけを見つければ、易々と環境に妥協してしまう自分。 主人公の生き方を通して、自分を反省してしまいました 一方で、流されながらも、流されっぱなしではなく、 時々、自分の意思を持ち直して、再び前を向こうとする姿勢を持っています。 この踏ん張りは学びたいところです。 ところで、物語の途中で、主人公は仕事で相馬に引っ越します。 あの、福島県の相馬地区です。 読書をしてても、地震の記憶が追いかけてくるのが辛いです。
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