『蒲生邸事件』
| ||
- 2011/03/01(Tue) -
| ||
宮部みゆき 『蒲生邸事件』(文春文庫)、読了。
何も考えずに読み始めたのは、なんと2月26日。 まさに二・二六事件の日です。ちょっと不思議な縁。 さて、本作は、本読みさんたちのBlogで絶賛されていることが多いので、気になってました。 というわけで期待値は大きかったのですが、前半がちょっと退屈でした。 主人公が、あまり知識・教養のない設定なので、二・二六事件の説明が ところどころに入ってきて、すこし冗長な印象です。物語の進みも遅いし。 また、どうにも、主人公のキャラクター設定に満足できず。 本作に限らず、「勉強の出来が悪く、世間にも疎い、何も考えずに生きてる男子」という 主人公が、どうも私は苦手のようです。 何か一つ、他人よりも秀でた特徴や、個人的な興味関心があるのなら、 それをキーにして巻き込まれた事件に対処していく・・・というのは納得感が高いのですが、 「この男子がこの場面でこんなに柔軟に対応できるか?」という疑問を持ってしまうと、 なかなか感情移入がしにくいんです。 本作でも、二・二六事件どころか、日本の近現代史が全く分かっていない主人公が、 いくらタイムトリップしたからといって、こんなに状況を即座に把握して 上手く立ち回れるのかいな?と疑問に思ってしまいました。 あ、あと、タイムトリップものも、あまり私は得意じゃないかもしれません。 タイムパラドックスの方に意識が行ってしまうのと、 どうしてもご都合主義な展開に思えてしまうところがあるので。 ただ、本作は、2人目の時間旅行者が登場して、 その2人の時間旅行観の違いが顕わになってきてからが面白かったです。 ま、かなり後半ですけれど。
![]()
|
||
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/2357-30b46a7f |
| メイン |
|