『殺人方程式』
| ||||
- 2011/02/26(Sat) -
| ||||
綾辻行人 『殺人方程式』(光文社文庫)、読了。
館シリーズ以外の長編は初めてです。 本作では新興宗教団体内部で起きた殺人をテーマにしているということで、 興味を持ちました。 創始者が死に、そのあとに教主となった創始者の夫が死に、 さらには関係者と思わしき大学生が死に・・・。 本作は、物理トリックものだったのですが、正直、漫画の世界のような印象で、 「20mも、そんな・・・」と思ってしまいましたが、 舞台背景やキャラクターの味付けが面白く、作品としては楽しめました。 個人的に、新興宗教をめぐる関係者の悲喜劇に興味があるので、 教主の継承問題とか、それに伴う信者の葛藤とか、面白く読みました。 また、途中で登場してくる探偵役の位置づけが、 双子という設定を上手く活かして、でも出しゃばらず、 なかなかのバランスで活躍していたと思います。 真犯人は、私が「ハリウッド的真犯人」と呼んでいる(苦笑)、 あまり好きではないパターンでした。 謎ときの展開も、結構、ご都合主義というか、ヒントが向こうからやってくる感じです。 ま、今回は、謎ときにはあまり関心が向かなかったので、よしとしましょう。 巻末のあとがきに、本作品が出来た経緯が載っていましたが、 こんなに簡単に作品の骨格が決まってしまうものなんですねー。 (ま、多少の誇張はあると思いますが) 作品の作り方も分かって、なかなか面白かったです。 シリーズ作になっているようなので、そちらも挑戦してみたいです。
![]()
|
||||
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/2351-4e92986b |
| メイン |
|