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『氷点』
- 2006/03/24(Fri) -
三浦綾子 『氷点 上・下』(角川文庫)、読了。

たまには「名作」と呼ばれるものをと思い、この作品を。

『子育てごっこ』を読んだ直後だったせいか、
「大人の勝手な都合で子供が翻弄され苦悩の犠牲に遭う」という面が
やたらと印象に残って、当初なかなか読み進められませんでした。

キリスト教徒でもない人間が、
ふと思い出した「汝の敵を愛せよ」の言葉に誘われて、
一人の人間の人生に対し、本人の判断の及ばないところで
大きな影響を与えてしまっていいものかと。

ただ、本作は、登場人物の思考の変遷をじっくりと描いているので、
次第に彼らの考え方に馴染んでいくことが出来ました。

それでも、ラストシーンまで来たら、
やっぱり「なぜ啓造は・・・」という思いが再燃しました。
私は、夏枝と村井への嫉妬心が引き起こした過ちとして捉えることにしたのですが、
「汝の敵を愛せよ」というフレーズを単なる言い訳に使っただけだとは思えず、
やはり啓造なりに「汝の敵を愛せよ」という言葉の意味を真摯に考えての
行動だったと思わざるを得ません。

すると、キリスト教徒でもない人間が、
この言葉に突き動かされたというのは、一体なんだったのか。
私自身、キリスト教の世界観に多少の苦手意識を感じているので、
無意識のうちに、
啓造の行動を受け入れ難く感じてしまっているのかもしれません。

いずれにせよ、続編を読まないと、自分の中で落ち着かない作品です。


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2006/06/27 13:52  晴走雨読 ▲ top

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