『みぞれ』
| ||||
- 2010/10/31(Sun) -
| ||||
重松清 『みぞれ』(角川文庫)、読了。
これぞ重松短編と言いたくなる上手い作品たちです。 日常の些細なボタンの掛け違いから生まれて どんどん成長していってしまう苦悩や困難に苦しむ人たちの様子を、 誇張せず、深刻ぶらずに、日常生活のレベルで淡々と描く。 この匙加減が絶妙です。 そして、人気アイドルグループの名前とか、ニュースになったネタとか、 適度に時事ネタをはさんでくるのですが、その匙加減もぴったり。 今という時間にベッタリすり寄るのでもなく、 ピンポイントのアクセントに借りるだけでもなく、 読んでいる側に同時代性を与えて、作品をぐっと身近なものに感じさせる その道具として上手く使っていると思います。 決して、大きな事件が起こるわけでもないのですが、 こうやって、私たちは日々悩み、考え、整理し、前向きになっていくんだなぁということが よーくわかりました。 基本的に、良い人たちがたくさん登場してくるのですが、 その分、ごく稀に混じってくる嫌な人が、とことん嫌な人に映ります(苦笑)。 勝利&優秀の親子、こんなの親戚にいたら最悪だなー(爆)。
![]() |
||||
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/2214-edd00dea |
| メイン |
|