『デンデラ野』
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- 2010/08/23(Mon) -
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山本昌代 『デンデラ野』(新潮文庫)、読了。
著者のことも作品のことも何にも知らない状況で、 なぜこの本を買ってきたのか理由がサッパリわからないのですが、 本棚にあったので、読んでみました。 が、オモシロイ!! 母が家出した後、ヒステリーを起こす娘と登校拒否の息子と暮らす父親の話。 三男の団地暮らしに居候する老婆は、家族みんなの輪から少し外れて世を眺める話。 ボランティアに熱を上げる母親を尻目に、息子との交流に期待をかける父親の話。 どれも、家族としては、崩壊の傾向にある中で、 ちょっと悲観的に世の中と自分とを眺めながらも、 意外と平気な顔して生きていく人々の姿を描いています。 アプローチによっては、地獄のような日々のようにも描ける舞台設定ですが、 あえて、淡々と描いて見せ、主人公にも飄々と語らせることで、 暗い空気の中にも、どことなく軽さを感じることができます。 このあたりの、持っていき方が、上手いな~と思いました。 全く把握していなかった作家さんでしたが、 他の作品のも注意してみようと思います。
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