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『江分利満氏の優雅な生活』
- 2010/08/10(Tue) -
山口瞳 『江分利満氏の優雅な生活』(新潮文庫)、読了。

典型的な戦後のサラリーマン「江分利満」を主人公に、
その生活を淡々と描いた作品です。

山口瞳と言えば、キャッチコピーとエッセイですので、
さほど、小説としての体裁にはこだわっていなかったつもりだったのですが、
主人公の父や母の話になった時に、結構、感情の部分を描こうとしていたので、
「もしや、このあと劇的な展開とかあるのかしら?」と、期待してしまいました。

が、その後は、また淡々とした描写に戻り、
むしろ、後半の方が、エッセイの要素が強いように感じました。

なので、前半が自伝的作品、後半が随筆という構成と考えればよいのでしょう。
個人的には、前後半が逆の方が、好みに合ってたかと思います。

戦争前後のどさくさを描いているので、
きっと、同じ年代の方が読むと、大変だった自分の生活が思い出されたりして、
懐かしさを感じられる作品なのでしょうね。

私は、時代が違い過ぎるので、
「あぁ、昭和の前半というのは、こんな感じだったんだな」と
古いニュース映画を見るような気持ちで読みました。

かなり以前、この著者のエッセイを読んで、
(たぶん『新入社員諸君!』だったと思うのですが・・・)
言葉の激しさというか、語感の強さに、ちょっと苦手意識を持ってしまっていました。
本作は、抵抗感なく読めたので、他の作品も当たってみようかと思います。


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