『グラン・トリノ』
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- 2010/07/03(Sat) -
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『グラン・トリノ』
全くあらすじも何も知らない状況で観たので、 「グラン」という語感から、勝手に壮大な映画をイメージしていました。 (「グラン・トリノ」という車種も、もちろん知らず・・・) なんと、非常に狭い世界での出来事を描いた作品でした。 妻を失い、一人暮らしになった主人公は、その頑迷さをますます深めていき、 近隣に住みつくようになった移民たちへの偏見に縛られ、 なんの幸せも見いだせない日々を送っています。 そんな彼は、ある日、隣人のモン族のトラブルに巻き込まれ、 渋々ながらも付き合いを始めると、 隣家の末っ子・トロ助の面倒を見るようになり・・・。 この辺の、「渋々つき合うようになって・・・」という過程が 結構、うまく描かれていたと思います。 ま、「モン族の習慣」ということで、強引に押し切ったところもありましたが。 そして、物語は、終盤、一気に加速していくのですが、 結末の付け方が、非常に東洋的というか、仏教的というか、 日本人好みの展開になっていたように思います。 私は、遠藤周作の『沈黙』なんぞを思い出してしまいました。 アメリカにおけるキリスト教の信仰心の弱体化、 移民が白人社会を駆逐する人種問題、 その白人社会も、基をたどれば、ポーランド移民やイタリア移民、 中流階級における親子の断絶、などなど 様々な社会問題をうまく取り込んで、重みのある作品に仕上がっていたと思います。 他のイーストウッド作品も観てみたくなりました。
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