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『雄気堂々』
- 2010/06/15(Tue) -
城山三郎 『雄気堂々』(新潮文庫)、読了。

渋沢栄一翁。

明治史の面からも、経済史の側面からも、
はたまた大学関係者の点においても、
当然に知っておかねばならない重要人物なのですが、
あまりに活躍の場が広すぎて、実は、よく知らない人物でした。

その半生を、城山三郎先生が描いているという本作。
実業界を描いてきた城山作品であり、かつ、大学関係者ということで、
興味深く読みました。

まず改めて驚いたのが、幕末~明治維新にかけての時代の流れるスピード。
一つ一つの事件が社会大きな影響を与え、
次々と世の中が変貌していきます。

それに合わせて、柔軟と言うよりも、
転向に近いほどの変わり身の早さを見せる渋沢栄一。
彼以外にも、結局、明治時代という日本の近代社会の草創期に名を残した人々は、
時代の変化するスピードに合わせて、自らを変幻自在に変え、
しかしながら、根本のところでの「日本国」への想いは一貫していたという
しぶとい人たちであったのだとわかりました。

変化に対応できず、「国体護持」や「攘夷」に雁字搦めになっていた人たちは
消えていくしかなったっという・・・なんだか進化論を見ているようです。

そして、この明治維新を動かしていた人たちの
貪欲なまでの向上心と、分野を区切らない興味関心の持ち方、
それらを支える激しい行動力、これらは素晴らしいです。

新生日本が、国としても、それを動かす官僚たちも
「若い国」だったという面が存分にあるのでしょうが、
それにしても、彼らのエネルギーは凄まじいです。

ふん詰まった日本を新たに創り直すには、
このような傑物たちが必須だったのでしょうね。
一方で、時代が、こういう人たちを生んだのだとも思えます。

一握りの天才たちが時代を動かす時期があるという
竹中さんの指摘を思い出しました。

爆発するほどのエネルギーは、
今の日本には、どこにあるのでしょうかね・・・。


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