『海馬』
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- 2010/05/08(Sat) -
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池谷裕二、糸井重里 『海馬』(新潮文庫)、読了。
久しぶりに自然科学系の本を。 ただ、糸井重里さんとの対談なので、 内容は相当やわらかく噛み砕かれているというか、 人文科学系の要素と相まった一冊となっています。 「経験メモリーの組み合わせ」というテーマからすると、 自然科学と人文科学の対話というのは、コンセプトに合致した 面白い企画だと思います。 ただ、個人的には、もうちょっと科学的な説明のボリュームを増やして欲しかった感も。 人文科学の言葉(比喩とか)を使われると、イメージしやすくなりますが、 シンプル化され過ぎるというか、勝手な像を組み立ててしまう危険性もあるので。 ま、まさに、それが脳の働きだということが、本文でも触れられていますが。 この本を入口に、もうちょっと専門的な本を読んでみると 面白いのかもしれません。 様々な実験が紹介されており、その結果も相当興味深いのですが、 むしろ、そういう実験を思いつく科学者の思考方法に感心しました。 まさに「経験メモリー」を増やした感じです。 私も、例えば、ヒット商品等というものは、 ゼロから生まれてくるのではなく、 既にある考え方を、新しいジャンルに持ち込むとか、 2つの考え方を組み合わせるとかいうことで誕生するのだと考えていたので、 この「経験メモリー」の考え方は、非常に納得できるものでした。 自分の考え方の裏付けを取れたような快感です。
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