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『リオ』
- 2010/04/16(Fri) -
今野敏 『リオ』(新潮文庫)、読了。

またもや一気読みでした。
とにかく次の展開が気になって仕方がないです。

謎解きの要素は控えめで、
どちらかというと、真相のほうから出てきてくれるようなところがあり、
主人公が事件を解決するという印象よりも、
事件解決に取り組む主人公そのものを描くという、
やはり警察小説というべき作品かなと思いました。

その主人公・樋口のキャラクター設定が
警察ものにしては珍しい、組織内での協調を大事にする慎重派で、
しかも周囲の目が気になって仕方がないという小心者。
このキャラクターは新鮮でした。

普通なら、型破りな刑事に憧れを抱いて読むのが一般的でしょうけれど、
この作品では、小心な主人公に共感しながら読めてしまうのです。

そして、ところどころに出てくる世代論が興味深かったです。
全共闘世代、団塊世代に対して徹底的な批判の目を持っている主人公のため、
かなり徹底的にこれらの世代をこき下ろす書きぶりです。
ただ、この世代に該当する登場人物たちが、何ともだらしのない人々ばかり。
ちょっと一方的に批判しすぎじゃないかな?と、
学生運動モノに興味を持ってしまう私としては、反発心も。
また、語られる内容が、同じことの繰り返しのようにも思え、
世代論に関しては、少し冗長な印象を持ちました。

あと、本庁と署轄の刑事の対立というものもあまり発生せず、
むしろ恐ろしく滑らかな感じで協力体制が回っていきます。
警察ものの王道パターンとは一線を画したと言えるのでしょうけれど、
「こいつとこいつがぶつかるシーンがあるんだろうな」と予想しながら
読んでいた身としては、接触爆発がたいして起こらず、ちょっと拍子抜け。

さらには、やたらと主人公が家族のことを振り返るシーンが出てくるので、
「もしや、この家族が事件と関わるようになっていくのかしら?」と
これまた憶測を立てていたら、そちらも拍子抜け。

まぁ、この点については、
劇的すぎる犯罪小説や予算ばかり豪華で内容はチープなハリウッド映画に毒されて、
そんな展開しか考えられなくなっている自分が、残念頭なのかもしれませんね。

というわけで、設定や展開は非常に面白かったです。
が、欲を言えば、ちょっと突き抜ける要素がもう一つ何か欲しかったかな・・・
というところでしょうか。
あぁ、でも、それだと作品全体のバランスが悪くなるかも・・・。
難しいところですね。

面白い作品を描く作家さんなので、
読み手としては、無責任にいろいろと期待をしてしまうのです。
そのあたりは、続編に期待ですね。


リオ―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)
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おすすめ平均
stars樋口さんの人柄が良い・なんとなくせつない読後感
stars警察小説好きには評価が難しい
stars説明がくどい。だけど、シリーズ化されている作品も読んでみたいと思った。
stars良質なエンターテインメント。樋口顕シリーズ一作目。
stars共感できる主人公

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コメント
-初めまして☆-
BIBLIO HOLICの惺と申します。足跡を頼りにお邪魔させて頂きました!
今野敏氏のレビューがあったので、思わずコメ残させていただきますッ☆

自分は最近になって今野敏初体験だったのですが、ホント主人公に感情移入しすぎちゃいました~。面白いです!
こちらの作品も心惹かれますね。是非近いうちに読んでみたいと思います。

ではまたお邪魔させていただきます。失礼いたしましたッ!

2010/04/22 20:18  | URL | 惺 #-[ 編集] |  ▲ top

--
惺さま

CMありがとうございます。

私も、最近になってようやく今野作品を読んだのですが、
その面白さにハマってしまいました。

いろんな作品を書かれている作家さんのようなので
他の作品も楽しみです。
2010/04/23 23:28  | URL | かもめ組 #obYDgEv2[ 編集] |  ▲ top


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