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『かたみ歌』
- 2010/03/06(Sat) -
朱川湊人 『かたみ歌』(新潮文庫)、読了。

亡くなった者たちとの行き来が起こる、とある東京の下町でのお話。
それぞれのお話が、古本屋の主人と関わり合いながら語られていきます。

不思議な出来事に遭遇した町の住人達は、
その不思議を、「恐怖の対象」として遠ざけるのではなく、
また「興味関心の対象」として、無暗に探究するのでもなく、
「体験した不思議なこと」として、自分の生活レベルの中で捉えています。

この自然な関わり方が、読んでいて、とても心地よい印象を受けました。

また、個人的に、古本屋が登場するお話が好きで、
出久根作品はもちろんのこと、宮部みゆきの「イワさん」も楽しく読みました。

最後の章で、この古本屋の主人の過去が明らかになりますが、
皆それぞれ、いろんな人生を歩んできているんだなぁという
月並みながらも、しみじみと感じ入ってしまいました。


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コメント
-こんばんは★-
ご来訪&TB有難うございましたe-466

“ホラー”だけど怖くない、
不思議な世界を堪能できました。
とても良い作品だったと思います。

TBさせて頂きましたので、
よろしかったらご承認、お願いします。
2010/07/17 19:03  | URL | ぽぽ♪ #-[ 編集] |  ▲ top

--
ぽぽ♪様

TB&CMありがとうございます。

不思議な世界との距離感が、とても心地よい作品でした。
こういう情景を想像していると、古本屋さんに行きたくなります。
明日にでも行こうかしら・・・。
2010/07/17 20:26  | URL | かもめ組 #obYDgEv2[ 編集] |  ▲ top


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