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『見張り塔からずっと』
- 2010/01/16(Sat) -
重松清 『見張り塔からずっと』(新潮文庫)、読了。

表題作を持たない短編集という、不思議な構成の一冊。

重くて苦しいお話が3つ続きます。
読み応え十分ですが、「面白い」という表現がしにくいのです。
人間の嫌らしい部分を、これでもかと容赦なく書き立ててくるので、
読んでいる側に楽しんでいる余裕は無く、「思い知らされる」という感じです。

「カラス」は、郊外の団地の住人が新しく越してきた家族を
いじめ尽くすストーリー。
子供のいじめの話は、興味があって、いくつか読んでいるのですが、
主婦同士のいじめを真正面から扱った作品は、初めてかもしれません。
そう感じるほど、衝撃を受ける内容でした。

私自身、「団地」という形態の環境に住んだことが無いので、
この疎外感から生まれる恐怖というのは想像でしかないのですが、
ゴミ捨て場のポリバケツのような日常品から与えられる恐怖って、
その物体があまりに日常的すぎて、恐怖倍増なんでしょうね。

「扉を開けて」は子供を失った夫婦が、生と死の挟間を行き来する物語。

「陽だまりの猫」は、その存在自体を消されてしまう若い主婦の物語。

どれも怖いです。
現代の恐怖小説と言って良いと思います。


見張り塔からずっと (新潮文庫)
見張り塔からずっと (新潮文庫)
おすすめ平均
stars『カラス』を夜中に読むと,夢見が悪くなるので要注意
stars暗い本ですが...
stars重松清の原点
stars筆者の感受性の強さが出ている
stars団地の王様?

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