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『バッテリーⅣ』
- 2010/01/11(Mon) -
あさのあつこ 『バッテリーⅣ』(角川文庫)、読了。

この巻は重かったです。

Ⅲ巻の終わり方として、さぁ試合だ!という状況だったので、
ワクワクしながらⅣ巻を開いたのですが、淡々とした導入部分で??

「あぁ、試合から少し経った時点を描いてるんだ」とわかったものの、
で、試合の結果は?

回想として試合のシーンが出てくるのですが、
天才肌の投手の女房役に限界がきて、それが原因で天才が大崩れ。
バッテリーの存続問題にぶつかってしまいます。
まさに試練。

この試練となった試合を、回想シーンで、なおかつ対戦相手の目から描くという
間接的な手法をとったことで、バッテリーが感じた衝撃の大きさを
上手く描写していると思います。この描き方には感心。

そして、今回は、相手への理解共感力、理解共感志向、理解共感後の行動というような
観点から、人と人が関係するとはどういうことかを教えてくれます。

ひたすら真摯に相手に向き合う豪や門倉には見えないことを、
少し距離を置いておちゃらける余裕のある吉貞や瑞垣には見えていて、
しかも、状況を上手くコントロールしていく力がある。

おちゃらける力とは、ただふざけているだけではなく、
心に余裕を持ち、またその余裕を相手に与えられるということなんだとわかりました。
緊張感の中のユーモア、う~ん、どこぞの芸人さんのようだわ(笑)。

一方で、大人が手を差し伸べてあげられる限界というものも見せられたような。
監督は豪の置かれた立場を理解しながらも、それに対して「やめる」という
選択肢しか与えてあげられない。

たとえ子どもであっても、自分の心は自分で整理して、
自分で決断しなくてはいけないんだということが良くわかりました。
周りがしてやれるのは、選択肢を増やしてあげることだけ。

いろいろ、読み応えのある巻でした。


バッテリー〈4〉 (角川文庫)
バッテリー〈4〉 (角川文庫)
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