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『となり町戦争』
- 2009/12/30(Wed) -
三崎亜記 『となり町戦争』(集英社文庫)、読了。

突然、町役場がとなり町と戦争を始めた・・・・。

ファンタジーの世界で現実を皮肉る作品かと期待してました。
全然、物語の設定は違うのですが、『ガリバー旅行記』のような
風刺に富んだ作品なのかと。
でも、思いのほか真面目な内容で、少し重かったです。

設定は非常に興味深いものだったのに、
あまり真相に奥深さがなかったのも、話を淀んだ感じにさせていました。
ただ淡々と戦争が目につかないような形で行われているという。
せめて、戦死者が出る場面を描写してくれたら、
もうちょっとすっきりした気持ちになれたかと思います。

そして、こんな戦争に偵察要員としてかかわった主人公も
これまた淡々と業務をこなしていて、テンパリ感がないんですよね。
そして、どんどん内的な思考に落ちていくので、重くて暗いです。

となり町との戦争というシチュエーションと、主人公の重さ暗さに
バランスが取れていないように感じました。

せっかくの斬新な設定が、もったいなかったです。


となり町戦争 (集英社文庫)
となり町戦争 (集英社文庫)
おすすめ平均
starsレヴューというより、雑感です
stars現実の中に突如として戦争が組み込まれる
stars今後に期待?
starsとても面白い話が作れるはずの状況設定なのに・・・
stars長い

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ガリヴァ旅行記 (新潮文庫)
ガリヴァ旅行記 (新潮文庫)中野 好夫

おすすめ平均
starsガリ”ヴァ”旅行記
stars恐ろしいほどの人間に対する批判描写
stars人間嫌い
stars痛烈な風刺の物語
stars意外と読んだ人が少ないようですが

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