『ブタがいた教室』
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- 2009/12/14(Mon) -
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『ブタがいた教室』
観終わって、非常に複雑な心境です。 作品として、大きな問題提起をしていたと思うのですが、 それが作品の中で消化しきれていたようには思えませんでした。 ブタを飼い始める時に、確かに教師は、「最後は食べる」と説明はしています。 でも、「食べるために飼うんだ」という議論をロクにしないまま、 子どもたちは「かわいいから育ててみたい」という気持ちで、スタートしていきます。 そして、半年たったあたりから、「最後はどうする」という議論が始まるのですが、 最初にしっかりと意見を言わせていないために、 「殺す」「可哀そう」の議論になってしまっています。 子どもたちが途中から分不相応に過酷な責任を与えられているように見えてしまい、 ブタのことよりも、子どもたちにとって残酷な話を展開しているように感じました。 それでも、子どもたちは精いっぱい考えて、議論します。 このシーンは迫力があって見ごたえがありました。 そして、子どもたちでは結論が出せないまま、最後は教師が決断するのですが、 「食肉センターに送る」と判断した理由について、のちに同僚教師に、 「子どもたちは精一杯頑張った。もう頑張らなくてもいいよ、十分だよと思った」 と語ったところで、「なんじゃそれーっ(怒)!」。 このセリフが来るまでは、 シーンには出てこなかったけど、子供たちに決断の理由をちゃんと説明して、 子どもたちを納得させる努力をしたんだろうなと想像していましたが、 この一言で、それは買いかぶりすぎだったのかも・・・と驚嘆。 この思いつき教師の1年間の行動は、見ていて非常に不安を感じさせるものでしたが、 最後の最後で裏切られた気がしました。 ただ、この映画では、子どもたちの表情や感情が、 こうも活き活きと画面に出るものなんだと、そちらに感心しました。 作品としての内容よりも、 子供の姿をとらまえるという行為のほうで、成功していたのではないでしょうか。
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