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『亡国のイージス』
- 2009/10/22(Thu) -
福井晴敏 『亡国のイージス』(講談社文庫)、読了。

映画化されたものを先に見ていたので、
上巻の展開はだいたい頭に入っていて、すらすらと読めました。

一方、下巻のほうは、映画でかなり端折られていた「国家とは何か」
「国を守るとはどういうことが」「日本の国家観とは」という問いかけに対する、
登場人物それぞれの立場での回答がなされていて、納得できる物語展開でした。

「論点のすり替えだ!」と怒ってしまった映画版から3年を経て、
やっと答えを得ることができました。

しかし、本作で描かれた日本の職業自衛官と北朝鮮の兵士との対比で、
これが日本人の限界か・・・・・と思わされたのは、衝撃として重いですね。

片や祖国の再興を目指してテロを行おうとした兵士集団、
片や個人の怨念を晴らそうと集まった烏合の衆。

日本人の視野の狭さ、個人的な経験やしがらみから抜け出せない弱さ、
そして、いざという瞬間に迷いを呼び込む意志の弱さ、
こういう国民の集まりの中で生きるのは、
流されるだけで頭からっぽの怠惰な日々なのでしょうか、。
それとも、日本以外には世界の他のどこでも得ることができない、
実は本当に平和な生活なのでしょうか。

とにかく、大きな問題提起を熱く投げかけてくる大作のため、
ここ3日ほど仕事を早く切り上げて、夜4~5時間没頭して読みました。
久しぶりに、「読書に没頭した」と言える時間で充実してました。

一つ疑問だったのが、この物語を大きく動かす行動の一つ一つが
すべて個人の思いによる行動であるということです。

現場の中心である先任伍長も、指揮する幹部たちも、物語のキーとなる行動は、
組織で動く合理性よりも、個人の思いを重視した結果の行動判断でした。

軍隊という、最も組織として洗練され、また訓練された組織において、
組織よりも個人の思いが尊重されるということが、
こんなに簡単に何度も起こりうるのか?というところは疑問でした。

それとも、兵隊・軍隊ではなく、職業自衛官の集まりでならば、
たやすく個人の感情が通ってしまうものなのでしょうか?


亡国のイージス 上 講談社文庫
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stars正直、胸が熱くなりました。
stars色々言う人はいますが
starsテンポが良い

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