『バッテリー』
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- 2009/09/13(Sun) -
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あさのあつこ 『バッテリー』(角川文庫)、読了。
ついに、このシリーズに手を出しました。 児童文学というと灰谷作品を真っ先に思い浮かべるので、 「純粋無垢な子供たち」と「それを取り囲む温かい大人たち」という 先入観を持って読んでしまったのですが、 よい意味で裏切られました。 なんとも食えない主人公なのです。 自分の投球に完璧な自信を持ち、その反動で、他人への興味関心は無し。 この強烈なキャラクターが バッテリーを組む豪や、弟の青波、祖父の洋三などとの関わりの中で 自分を見つめなおして成長していくストーリーなんだろうな・・・・と想像。 (本作では出合ったところまでしか描かれていないので) これは、続きが楽しみですね。 ちょっと難をつけるのであれば、 この田舎町に引っ越してくるまでは、 主人公・巧は、ほんとうに完全無欠の自信家だったようなのですが、 この町に来てから、他人の言動がちょっとずつ気になるようになってきたみたいです。 その変化の直接の切っ掛けがあまり具体的に描かれていないというか、 さらっとしていたので、なぜ変化があったのかがイマイチ掴みきれませんでした。 まぁ、環境が変わって、人間関係が変わって、 その中で見えてきたもの、感じたものがあったのでしょうけれど。 そういう部分の描き方は、 作品が進むごとに上手く馴染んでいくようになっていくでしょうから、 今後に期待ですね。
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