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『エクセレント・カンパニー』
- 2005/12/31(Sat) -
T・J・ピーターズ、R・H・ウォーターズ 『エクセレント・カンパニー』(講談社)、読了。

ずーっと探してたこの本が、ブックオフにて100円で売られているのを発見したときには、
思わず小躍りしてしまいました。

20年以上前に書かれたものとは言え、内容はいまでも生き生きとしています。

うちの会社は、いま、分社だとか、新たな事業スタイルに変革するだとか、
いろんなことを親会社に言われて取り組んでいるのですが、
そんな会社の右往左往ぶりを眺めている身からすると、
この本の指摘が痛いほどよくわかります。

そして、会社の変革の動きについていけていないウチの部長には、
ぜひこの本を読んでいただきたい!
(最近、モノの考えや言動がおかしいんですよね~)

数多くの具体的なエピソードも魅力あふれるものでしたし、
そこから引き出される教訓も、地に足のついた内容で、納得のいくものでした。
経営学に無知な自分でも、興味深く読み進められた一冊です。

もちろん、この本では経営側の視点から各会社を評価していますので、
労働者側や顧客側からみた企業評価とは違う点もあるでしょう。
メアリー・スキアヴォ『危ない飛行機が今日も飛んでいる』を読んだ後では
米国の航空業界を手放しでは誉めようとは思いませんし、
成功しているメーカーの営業担当や工場労働者の労働量や環境を知ってしまえば、
誰かの犠牲の上にある繁栄とも感じます。

ただ、それは、企業という一つの事象を、
経営側から分析するか、労働者側から分析するか、顧客側から分析するかの違いであり、
どちらかの視点や分析が「間違っている」ということにはなりません。
経営学が「いかに工場労働者を効率よく働かせるか」と考えるのと、
社会学が「どれだけ工場労働者が重労働を強いられているか」と考えるのは、
結局のところ、同じものを分析し、同じ結果が出てるのだと思います。
ただ、その結果に対する意見の切り口が違うだけで。

私は、大学で社会学を学び、「搾取」「疎外」なんて言葉にも触れてきましたが、
だからといって、経営に関する本を毛嫌いする気にはなりません。
むしろ、すばらしいマネジメント本は、下らない社会学の啓発本よりも、
「企業での労働」というものを正確に映し出しているように思います。

というわけで(?)、来年も、乱読を続けていきたいと思います。

ところで、この本の内容が正しいとするならば、
うちの会社に未来は無いな・・・・・・

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