『ワイルド・ソウル』
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- 2008/12/27(Sat) -
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垣根涼介 『ワイルド・ソウル』(幻冬舎文庫)、読了。
アマゾンの奥地に捨てられた日本からの移民家族たち。 上巻の前半は、読むのに苦労しました。 何よりも悲惨な現実。 なかなか泥沼の生活から進捗が無いので、 物語としてもちょっとイライラしてしまいました。 が、舞台が現代に戻ったところで一気に話が動き始めます。 何よりもまず、このスピード感が気持ち良かったです。 ケイと松尾を中心とした実働部隊のテキパキぶりとソツのなさ。 そして、復讐にも燃えながらも決して自分を見失うことのないケイという 強烈なキャラクターの存在。 また、彼を取り囲む貴子たちマスコミや警察の面々。 どれもこれも粒ぞろいでした。 最後まで読み終わって見ると、 前半のしんどいストーリーテリングも、 復讐の意味を理解するには大事なステップだったのだと納得。 同情を誘う復讐理由でありながら、彼らの犯罪の完全成功は許さない。 このバランス感覚も、私好みな感じの落とし方でした。
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