『コカ・コーラの英断と誤算』
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- 2008/09/25(Thu) -
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トマス・オリヴァー 『コカ・コーラの英断と誤算』(早川書房)、読了。
何かで本作の存在を知って、 ずーっと「読みたい本リスト」に名前が載ったままになっていたのですが、 偶然にもブックオフで発見。早速買いました。 1985年に、99年続いたコカ・コーラの処方箋を変え、 「ニュー・コーク」を販売したコカ・コーラ社の顛末を描いた作品。 このコカ・コーラの味を変える「カンザス計画」は、当時、社会問題化したようですが、 私は全く知りませんでした。 むしろ、この一瞬の時期を除いて、コカ・コーラの味が変わっていないことが驚きです。 そして、コカ・コーラ社と言えば、世界で有名な企業の一つであるのに 食品メーカーではなく、コカ・コーラ販売権で築き上げられた繁栄であることを知り、 なんだか砂上の楼閣のような印象を受けました。 会社設立の時点で、技術力でも経験でもなく 権利を核にして成り立っている時点で、ある意味、虚業です。 商品だけでなく、会社自身も、まさにアメリカ的。 そこにきて、過去の栄光とプライドが判断軸の全てであった経営陣。 なぜペプシに追い込まれたのか、 なぜペプシに追い込まれていると認められなかったのか、 なぜペプシに良いようにやられたのか、 全てが、なるほどと思えるように述べられています。 もし、飾り立て偽りをまぶすことなくニュー・コークの発表を行えていたら、 果たして現在のコークの味はどうなっていたのか、気になるところです。 このニュー・コークは、 そもそも味が良くなかったのか、 コカ・コーラ社の広報宣伝戦略の失敗だったのか、 「ニュー・コーク反対運動」ブームの被害者なのか、 結局、どれが真実だったのでしょうか? ニュー・コーク撤回後のクラシック・コークの爆発的な売れ行きを見て 早速、陰謀説が出回るところも、アメリカ的です。
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