fc2ブログ
『日本史の謎がおもしろいほどわかる本』
- 2022/11/16(Wed) -
歴史ミステリー倶楽部 『日本史の謎がおもしろいほどわかる本』(王様文庫)、読了。

先日、「書籍版こたつ記事」というマイ造語を書いたばかりでしたが、
本作は、まさにそれでした(苦笑)。

日本史における様々な定説に対して、「こんな主張をする人もいるよ」と紹介したり、
はたまた未だに謎とされている事件に対して、「こんな推測が出ているよ」と紹介したり、
まぁ、タイトル通りの謎はたくさん出てくるのですが、
「こういう意見の人もいます」「ああいう意見の人もいます」、以上、終わり!みたいな構成で、
言いっ放しで結論がありません。
正直、Wikipediaの方が詳しく載ってるんじゃないかというぐらいで。

やっぱり、匿名のグループ記事だと、寄せ集め感が溢れてしまいますね。
個人名で責任もって書かれた本じゃないと、時間つぶしにも厳しい感じ・・・・・。

ただ、地図や家系図などの補足資料が結構豊富だったのは
読んでいてわかりやすかったです。

(なぜかAmazonに本作のデータがありませんでした、内容に問題あった?)


にほんブログ村 本ブログへ


この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『これでいいのか三重県』
- 2022/11/14(Mon) -
昼間たかし 『これでいいのか三重県』(マイクロマガジン社)、読了。

こういうご当地ネタ本は、観光案内やネット記事の寄せ集めみたいな
書籍版こたつ記事のような手抜き本も多い中、
本作は、1人の著者がかなりしっかり取材したうえで書いており、
表紙イラストのB級感とは違って(苦笑)、読み応えがありました。

まず、著者自身が二十数年前に三重県に数年住んでいたことがあるという人物で、
今の三重県をサラッと取材して記事にしました・・・・・というのではなく、
以前住んでいた当時の印象と、今回取材で訪れた際の印象を比較したりして、
時間の流れも感じられて、興味深かったです。

そして、桑名、四日市、鈴鹿、亀山、松阪、伊賀、名張、伊勢、鳥羽、尾鷲、熊野と、
主だった市についても、その文化性や市民性も深掘りしてて、
三重県人からしても、納得できる内容というか、
むしろ、伊賀と名張がなんであんあに仲が悪いのか本作で理由を知ったりして、
勉強になりました。

「地域批評シリーズ」という中の一冊のようですが、
きちんとした著者による批評だったので、むしろ三重県民として、
ちゃんと考えなきゃいけないよな~と問題提起として受け止めるべきだという印象を持ちました。

特に私の生まれの津市については、著者の書きぶりからすると、
三重県内の市町において、もっとも魅力のない町のような評価に受け取れましたが、
まぁ、著者が指摘されていることはイチイチごもっとも。
唯一評価されたボロボロの大門商店街も、ここ数年、いったん盛り上がってた町おこしの
雰囲気も、やや減退しているように思われて、うーん。

まぁ、でも、やっきになって町おこしする熱血キャラは、
三重県人らしくないのかもしれませんね。




にほんブログ村 本ブログへ



この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『リフレはヤバい』
- 2022/11/11(Fri) -
小幡績 『リフレはヤバい』(ディスカヴァー携書)、通読。

マクロ経済の話は、なんで頭に入ってこないんだろう?興味が持てないんだろう?と
またまた、そういう挫折感を味わいながら読みました。

アベノミクスのインフレターゲット政策を批判している本ですが、
安倍さん個人への感情的な批判は一切なく、
あくまで経済政策として正しいのか、正しくないのかをロジカルに主張しているので
読んでいて不快感がなかったです。

でもやっぱり、内容が頭に入ってこない・・・・・なんでだろう?

今回読みながら思ったのは、例えばアベノミクスの取り組みに政府や官僚の側の動きを
追った本
については、同じ経済政策の本だったのに、ワクワクしながら読めたということ。
まぁ、それは政治の本だから違うよ・・・・ということかもしれませんが、
アベノミクスに興味が持てたのは、経済政策の専門家が首相に提言し、
首相が「やる!」と判断し、担当大臣や関係閣僚に指示し、大臣が配下の官僚に指示し、
官僚が推進し、また一部は反対し、経済界から賛否があり、国民からも賛否がある、
そんな紆余曲折ありながらも経済政策として進んでいく・・・・・。

この多くの人が関わったり意見したりしながら、現実世界でのアベノミクスが
凸凹しながらも実行されていくところに、なんとなく、社会の多角的な視点が関わることで
政策の内容が昇華されていくような印象が持てるところに興味がわくのかなと思いました。
アベノミクスに対して、大企業の経営者が賛同したり、中小企業の労働者が反対したり、
それは、それぞれの立場が具体的にわかるので、それぞれの主張も当たり前だと納得できます。

そもそも政治とは、完全な正解があるわけではなく、常に社会実験の要素を持ち合わせながら、
まず実行し、不具合が出てきたら修正して、時には一時停止したり、さらにブースト掛けたり、
PDCAサイクルで回していくのが適切な姿だと思います。
政治家が全てを決めるのではなく、政治家は振り出しの政策を決めて実行する役割で、
その後は、全国民がそれぞれの立場から意見を言い、修正していく、それこそが
健全な国民参加の民主主義だと思っています。

だから、アベノミクスや安倍政権の政策には、反対も多かったですが、賛同者も多く、
賛否両論で国を挙げて議論をできる環境があったことにこそ、価値があったのではないかと思います。
民主党政権時代は右顧左眄でふらふらしてて、とても議論になるような骨格の政策がなかったですし、
今の岸田政権は、「新しい資本主義」の中身が未だにわからず、賛成も反対もしようがないですものね。

安倍政権は、反対派が、政策だけでなく、人格否定のような反対の仕方をしたので
ちょっと後味が悪い政策論争でしたが、でも、やっぱり議論に値する政策が掲げられたというのは
国政にとって大事なことだと思います。

一方、本作のようなマクロ経済を説く本は、結局、著者の頭の中で整理した理論を
滔々と述べていく感じになるので、なんだか、リアリティを感じられないんだと思います。
私の頭が付いていけないだけだと思いますが(苦笑)、官僚はどう反応するのか、
大企業の経営者はどう感じるのか、中小企業の労働者はどういう影響を受けるのか、
農家の人は?芸術家は?年金暮らしは?そういう様々な世の中の存在が
どう関わっていくのかが見えないので、読んでいても話に気持ちが乗っていけないのかなと。

マクロ経済政策って、そういう個別具体的な事象の話は出てこないんだよ!って言われちゃえば、
当然そういうものだと思いますし、個別具体的な部分は自分で想像して埋めていくしかないのだと
思いますが、著者が一人で主張し続ける本よりも、いろんな立場の人との対談の方が
しかも反対派と真正面からぶつかるような対談の方が、主張する内容が意外と頭に
入ってくるのかもしれませんね。




にほんブログ村 本ブログへ



この記事のURL |  小幡績 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『自由はどこまで可能か リバタリアニズム入門』
- 2022/11/09(Wed) -
森村進 『自由はどこまで可能か リバタリアニズム入門』(講談社現代新書)、読了。

「リバタリアニズム」について、きちんと勉強したことがなかったのですが、
なんとなく「なるべく自由に任せると結果としてうまくいく」という程度の理解をしてました。
アダム・スミスの「神の見えざる手」の考え方を、市場経済だけでなく、
社会全般に広げたようなものかなと。

で、新書で「入門」と謳ってたら読めるかな?と思い、ブックオフで買ってきましたが
・・・・・・・・難しい。
やっぱり哲学の本は高尚でしんどいですね。

抽象的な議論が続くと、私の頭では消化できなくなってしまい
文字の上を目が泳いでしまいます。

途中、ジョン・ハリスの「生存のくじ」という論文が紹介されていて、
これは仮定の世界での話ですが、極端な仮定の中での議論だったので面白く読めました。
「臓器移植の技術が非常に発展した社会において、病人が出てきたら
 健康な人間がくじを引き、くじに当たった1人の正常な臓器をそれぞれ必要な病人に移植すると
 1人の犠牲で何人もの人の命が助かる。やるべき?」という議論。

日本人って、こういう議論に弱そうですよね。
「そんな極論を話したって意味がない」みたいな逃げの一手を打ちそうで。
でも、本当に思考を突き詰めていこうと思ったら、こういう極論に対して
真正面から自分の意見を言うことが大事なのかなと思いました。
読んでいて、サンデル教授の本を読んだときの感覚が思い出されました。

リバタリアニズムの中にも、いろんな流派があるようですが、
「左翼リバタリアニズム」というワードが出てきたときに、
「『左翼』と『リバタリアニズム』って共存できるの?両極端な思想じゃない?」と思ってしまいました。
左翼についてもきちんと勉強したことないので勝手なイメージですが、
左翼は「みんな平等、落ちこぼれは出さないけど杭が出るのも許さない」みたいな
そういう感覚が強い気がしていたので、競争を軸にしたリバタリアニズムとは対極な印象です。
著者も、異端児扱いしてましたが、欧米で出てきた新概念ということで、
こういう立ち位置が良く見えないグチャっとした異端の議論が勢いを持ち出すと、
なんだか世の中が不安定化しそうで怖いですね。




にほんブログ村 本ブログへ


この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『財務官僚の出世と人事』
- 2022/11/08(Tue) -
岸宣仁 『財務官僚の出世と人事』(文春新書)、読了。

読売新聞の経済部記者による、大蔵省・財務省の主に次官人事に関する
思い出話をベースにした財務省論。

冒頭、「日本最高峰の頭脳が集まるところは(中略)衆目の一致するところ『財務省』」ときたものだから、
「こりゃ、日本一優秀な頭脳の財務省官僚を相手に仕事をしてきた俺も優秀」みたいな
思いあがったマスコミ人による本だったら辛いなぁ・・・・・・とかなり警戒したのですが、
著者は自分の能力を控えめに述べており、中身は至って読みやすかったです。

上記のように腐しましたが、やっぱり財務官僚は優秀だと思います。
というか、他の省庁も含め官僚は優秀ですよ。
私の同級生も何人か官僚になってますが、まじめに働いてますもの。

この官僚の能力を、どうやって日本のために最大限発揮させるかという点が政治の力であり
「脱官僚」を掲げた民主党がどうしようもないのは仕方ないとして、
その反動でガッチリ政治と官僚がスクラム組んで取り組んだのが安倍政権だと思いますし、
反対に、お尻を叩きながら官僚をコキ使ったのが菅政権なのかなと。
官僚にとっては、太陽の安倍さんと北風の菅さんみたいな。

だいたい本で読むのは、一般的に政治家が主役で、官僚は脇役として描かれることが多いですが、
本作では、官僚そのものの、特に省内での出世競争を描いていて、興味深かったです。

あまりに優秀過ぎたり、仕事が複雑すぎたりすると、
凡人には、彼らの業績評価は想像できないレベルに達してしまいますが、
出世競争なら凡人にもイメージしやすいですものね(苦笑)。

官僚幹部たち個々人のユニークなキャラクターにも迫っていて、
確かに変人も多いように感じましたが、でも、その向き合っている仕事の重責を思うと、
変なところも個性としてかわいく見えてきますよね。

先日のアベノミクスの本が面白かったので、是非、政治家と官僚とバランスよく描かれた
日本の一大転機となった出来事なり政治決断なりを扱った本を読んでみたいなと思いました。




にほんブログ村 本ブログへ


この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『オモテ金融』
- 2022/11/05(Sat) -
青木雄二 『オモテ金融』(徳間文庫)、読了。

『ナニワ金融道』の著者が解説する「表の金融」、つまり銀行や消費者金融のギョーカイ話。

各トピックス文庫本で3ページ未満の分量で、
正直、薄っぺらい感じがしました。

主に、バブル期に銀行がどういう無茶な貸し付けをしたかという話と、
バブル崩壊後に消費者金融が巨大化した話などですが、
どれも、金融業界の中に居なくても、一般人で多少金融分野に興味のある人なら
知ってそうなレベルのものばかり。

この著者ならではの具体的なエピソードや、突飛な事例が出てくるのかなと期待したのですが
ネットで簡単に拾えそうな話ばかりでした。

本作とセットで『ウラ金融』という本も出ているようですが、
そちらが著者の得意分野だと思うので、そっちを読むべきでしたかね。






にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『小沢昭一的東海道ちんたら旅』
- 2022/11/03(Thu) -
小沢昭一、宮腰太郎 『小沢昭一的東海道ちんたら旅』(新潮文庫)、読了。

東海道線を各駅停車で東京から大阪まで向かう旅。
大きな駅はスルーして、自由気まま、思いつくままに小さな駅で降りては
食べたいものを食べたり、見たいものを見たり、気になることを調べたり。
TBSラジオ『小沢昭一的こころ』の中での企画のようです。

さて、著者については、顔は分かる・・・・という程度の知識で、
俳優であることは知っていたのですが、ではどんな作品に?というのは知識がありませんでした。
Wikiを見たら、『にあんちゃん』とかに出てたんですね。大学の授業で見ました。
あと、10年も前にお亡くなりになられてるんですね。まだご存命かと思ってました。

で、肝心の内容ですが、東海道線の各駅停車にちんたら乗っていく様子を
順に一人語りで進めていくのですが、かなり下ネタもふんだんで、
「あー夜の番組だったのかな?」と思ったら、真っ昼間のラジオでした(苦笑)。
ラジオって、やっぱり自由ですなー。

でも、下ネタやくだらないギャグに交じりながら、各駅で訪れる先は、
神社仏閣だったり、古典芸能発祥の地だったり、かつての市場や農産地だったり、
博識でかつ興味のアンテナが広い方だなぁ・・・・と感じました。

そして、あー、私も、こういう旅をやってみたい・・・・・と。
東京に住んでいたころは、ふと電車に乗って日帰り一人旅に出かけたりもしましたが、
三重県に戻ってからは車移動ばかりで、もう、電車は3年ほど乗ってません。
コロナ禍もありますが、車に慣れちゃうと、やっぱり車が楽なんですよね。
大きな荷物を背負わなくて良いし、駅の階段を上り下りしなくて良いし(苦笑)。
今や、大阪も東京も車で行くようになってしまいました。

どこかで時間作って、北陸あたりに電車旅とか、良いかもしれませんね。

このラジオ番組、どんな感じで下ネタしゃべってるんだろう?と余計な興味が湧き、
Youtubeで検索してみたら、たくさんヒットしました。
一番上に出てきたのを試しに聞いてみたら、
うわー、これは落語だわ!ということで、著者の名調子にはまっちゃいそうです。






にほんブログ村 本ブログへ

この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『裁判の秘密』
- 2022/11/02(Wed) -
山口宏、副島隆彦 『裁判の秘密』(宝島社文庫)、読了。

最近、仕事でちょっと損害賠償請求沙汰になったものがあり、法律をいろいろ調べてました。
最終的に、無事に賠償金を支払ってもらえそうな方向に落ち着いたのですが
最初は、「もし揉めたら裁判沙汰にして主張した方が良いか、それとも時間と労力の無駄だろうか」と
真剣に法体系を確認し、裁判やそれ以外の交渉の制度、また実際に損害賠償請求を法制度を使って
実行した人たちのブログなんかを盛んに読んで、比較検討してました。

というわけで、裁判という仕組みの実態に興味がわいてきたので、
積読になっていた本作を読んでみました。

弁護士として多くの裁判に関わってきた山口宏氏の話が中心です。
副島氏も結構アクの強い人だと思ってますが(苦笑)、山口弁護士もキョーレツですね(爆)。

数多くの裁判を同時並行で抱える裁判官が、いかにして各裁判を手をかけずに終結させるか、
または回転数を上げるために、1回1回の裁判手続きをさっさと済ませるかに
終始している姿を暴露してしまいます。
一方で、弁護士である著者の方も、依頼人の満足度を上げるために、適度に嘘をついて事情を
演出して説明したり、上手く丸め込んだり。
まー、お互い、ビジネスモード全開です(苦笑)。

でも、教科書的な制度の話だけを頭に入れていると、分からない実像だったので
興味深かったです。
どんなに制度がかちっと決まってても、運用する人たちが、「こういう風にやったら楽」ということで
一致点を見出してしまったら、楽な方に流れていきますわよね。
特に、いくつもの事案を抱える繁忙な裁判官も弁護士も、楽になることにメリットがあるでしょうから。

結局、素人がちょっと自分で制度をかじって「訴えたい!」ってなったとき(←今回は自分がこうでしたw)、
素人が制度なり法律なりを読んで描いた理想像と、法曹界で実際に運用されている実態との間で
うまく翻訳したりバランスとったりして、落としどころを見つけてあげるのが
弁護士の役割なのかな?と思うようになりました。
特に、あまたある民事の揉め事などでは。

山口弁護士の文章は、ちょっと口の悪いところもありますが、
でも、人間のダメなところの本質に触れ続ける職業の人だから言い切れる
割り切りみたいなものも感じられて、興味深く読みました。

「だらしのない人々というのは、裁判に巻き込まれることはあっても、自ら裁判を起こすことは普通ない。
 (中略)ところが、離婚にまつわる諸問題については、このだらしのない人々でも裁判に訴えざるを得ない。
 (中略)離婚裁判というのは、じつは、たちの悪い当事者がワンサカいるのが実情だ」
いやー、自分のお客の中の一部のろくでもない人たちを「たちの悪い」と言ってしまう勇気(苦笑)。

薬害エイズ訴訟についても、あくまで著者の勝手な想像と断りながらも、
「裁判官は川田龍平氏に『この裁判は長引くから、この辺で手を打った方が良いのではないか』と
 言ったはずだ」との大方言。今のご時世なら、バッシングされそうな率直な物言いです。

坂本弁護士一家殺人事件の警察の捜査手法についても、「他にも行方不明になっている日本人は
たくさんいるのだから、彼らだけが別件逮捕とかの特例扱いで丹念に捜査してもらえるのは不公平だ」
という趣旨の、なんとも本音ぶっちゃけ発言があり、世間の反応が恐ろしいけど、興味深い主張でした。




にほんブログ村 本ブログへ




この記事のURL |  副島隆彦 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
前ページ | メイン |