『女子と鉄道』
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- 2020/08/24(Mon) -
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酒井順子 『女子と鉄道』(光文社文庫)、読了。
またまたド繁忙に突入して、全然本が読めていません。 寝る前のほんの10分、15分とか、食事の時間の10分とか、細切れ読書です。 なので、細切れ対応しやすいエッセイを選んでますが、 図らずも鉄道女子の本が続きました。 能町さんのエッセイは、「鉄道大好き!」というご本人のワクワク感が凄く伝わってきて 面白い読書だったのですが、本作の方は、どうにもワクワク感がイマイチ・・・・というかゼロな感じ。 以前にも著者による地下鉄のエッセイを読んだのですが、 「ほんとに鉄道が好きなのかしら?」という感想を抱きました。 なんだか、仕事として電車に乗ってる感じがするんですよねー。 能町さんと何が違うんだろう?と思いながら読んでいたのですが、 まずは、エッセイの内容が、鉄道に乗りに行った話から、鉄道土産の話、痴漢の話と多種多様なので、 エッセイ本としてはバラエティに富んでいて良いのかもしれませんが、 鉄道を軸に見ると、「この人は鉄道の何が好きなんだろう?」というのが掴めない感じです。 あと、基本的に一人旅なので、著者が自分の目で見た外の世界の話が主になってしまい、 担当者編集者さんと2人で行動していた能町さんの方が、特に鉄道好きでもない編集者さんとの 対比を描くことで鉄道女子の生態を分かりやすく提示してくれたのに比べて、 なんだか主観的な世界観が広がっているように思ってしまったのかもしれません。 本作でも、男性の鉄道ファンと一緒に旅をする様子も描かれているのですが、 どうにも、同行男性は補助的存在にすぎないところが、勿体ないのかなぁ。 著者の文章の特徴かもしれませんが、冷たい感じを受けてしまうのが、 鉄道とは相性が悪いような気がしました。 もうちょっと人間味のある文章を書く人の方が、鉄道という存在には合ってるように思います。 ![]() |
『うっかり鉄道』
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- 2020/08/20(Thu) -
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能町みね子 『うっかり鉄道』(幻冬舎文庫)、読了。
著者のことは、深夜番組やってる人(見たことないです)という認識ぐらいで、 サブカル系の人だと思ってたのですが、そんな人が鉄ちゃん的な本を出していて ギャップが意外だったので買ってみました。 息抜き読書のつもりで、そんなに期待していなかったのですが、 読んでみたら、鉄道愛というか、鉄道をめぐる旅への愛情に溢れてて面白い本でした。 そもそもご本人は、鉄ヲタの中で自分の位置づけを端っこの方に置いているような 慎み深いところがあるのですが、高校生の時から、平成8年8月8日の8時8分に 八丁堀駅で切符を買い、その後、7か所の「八」のつく名前の駅で切符を買って コレクションするという手の込んだことをやっています。 そして、そのコレクションを今も大切にしてて、本作でも写真で登場。 鉄ヲタ歴といい、手間暇の掛け方といい、本物だな・・・・・・と感じました。 ま、わたくし鉄ヲタじゃないから、あくまで個人の感想ですが。 本作では、全国各地の鉄道を乗りに行ってますが、 ただ鉄道に乗ったり、駅舎を見たり、景色を見たりというためだけに ルートを考え、各目的地での行動を計画し、計画通りに予定をこなしていく、 その行動力は、普通の人にはできないレベルだと思いました。 一方で、本題の駅以外の部分ではタクシー移動をしたり、 いつの間にか飛行機や沢マンの話がメインになっていたり、 深刻な感じのオタクっぷりとは違うので、 鉄ヲタじゃない私としては、逆に読みやすかったです。 江ノ電は、私も5年前に乗っているのですが、 電車の中では家族でぺちゃくちゃしゃべってて、あんまり真剣に景色を見てなかったかも。 線路に向けて民家の玄関があるという事実は、本作で初めて知りました。 5年前に知ってたら、もっとしっかり車窓から観察したのに!残念。 北海道に行ったり、高知に行ったり、熊本に行ったり、 全国遠征も華々しくて、いいなー、行きたいなーと素直に思えました。 そうか、人吉は素敵な町なのかぁ。いつか行ってみたいな。 松の泉酒造も行ってみたいなぁ。 ウッチャン巡りツアーですね(笑)。 ![]() |