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『一生折れない自信のつくり方』
- 2019/12/31(Tue) -
青木仁志 『一生折れない自信のつくり方』(アチーブメント出版)、読了。

私自身、自分のこれまでの人生には比較的肯定的で、
これからの人生に対しても結構楽観的なので、
あまり自己啓発系の本は読まないのですが、
本作は、あちこちのブックオフで目に留まるので、
ヒットしてるのかなぁ?と思って買ってみました。

本作は、著者が若い頃にセールスマンとして働いていた頃の経験談を中心に、
どうやって成功体験を積み上げて、自分の自信として蓄積するかという話でした。

読んでいて、私はすごく納得できたというか、共感できました。
自分も同じようなことを気にしているなという気づきがあり、
頭の中が整理された感じです。

そして、著者のいう、自信を作っていくプロセスを、
なんで自分はスムーズに経験できたのかな?と思い返すと、
やっぱり両親の教育方針に依るところが大きいのかなと思いました。

「小さな成功を積み上げて大きな自信を作り上げる」というところで、
子供の頃は、両親や家族から「よくできた!」と褒めてもらった記憶がたくさんあります。
小学校に上がる前に、祖父がやっていた学習塾で算数の初歩の初歩を学んでいたのですが、
そのおかげで、幼稚園で九九が言えたので、小学校に入って授業を受けても
「わかる!わかる!」と勉強が面白かったです。

小学校3年生の時に、初めて海外旅行に連れて行ったもらいましたが、
そこで、父親から「フロントに預けたルームキーを取りに行きなさい」と言われ、
「部屋番号以外のことを聞かれたらどうしよう!?」とドキドキしながらフロントの人に
「ルーム、スリー、オー、ワン、プリーズ!」と言った思い出があります。
無事に鍵を渡され、しかも何も聞かれなかったので、「よかった~」とほっとしました。

当時、近くのカルチャーセンターの子供英語教室に通わされていたので
数字ぐらいは英語で言えましたが、でも、その教室の先生以外の外国人の方に話しかけるのは
人生初でとても緊張しました。
ちゃんと鍵をもらってきて、親からは「よくできたね」と褒めてもらいましたが、
「一人で鍵を取りに行きなさい」と言われて、「嫌だ」と拒否できない親子関係があったので
それなりに厳しい教育だったのかな?(笑)

厳しく要求し、ちゃんと実行したら褒めてもらえる。
本作で言っていることが、私の幼い頃に親が施していた教育なのかなと思います。

小学校に上がってからは、ちゃんと勉強していい成績を取ってくると
親がまず喜んでくれるので、また親が喜んでくれる顔が見たいなと勉強を頑張ったり。
「もっと勉強を頑張れば、もっといろんなことが分かるようになるぞ!」と背中を押され、
これが著者の言う「他信」の派生形なのかなと。

こうやって、自分の人生を振り返って、重ねることができる本でした。
両親に感謝ですね!

唯一読みにくいと思ったのが、著者の経歴が時系列でよくわからなかったこと。
ブリタニカでセールスマンをやっていた時、
17歳で親元から脱走した時、
事業を始めた時、
失敗して借金を抱えた時、
何がどういう順番なのかわかるように、最初に著者の職歴年表を付けておいてほしかったです。




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『京都市場長のおいしい内緒話』
- 2019/12/30(Mon) -
田中耕造 『京都市場長のおいしい内緒話』(講談社)、読了。

京都の市場で手に入れられる美味しいもののガイドブックです。
市場長が書いてるから間違いなし!

こういう市場のルポだと、
野菜の話、魚の話と、専門分野に分かれていきがちですが、
本作は市場長が書いているので、農林水産それぞれに言及があり
公平な内容になっています。

個人的には、お漬物を買いに行きたいよ~!
という気分になりました。




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『チチンプイプイ』
- 2019/12/29(Sun) -
宮部みゆき、室井滋 『チチンプイプイ』(文春文庫)、読了。

宮部みゆきさんと室井滋さんの対談です。

初対面の状態から始まり、何度となく顔を合わせるうちに、
段々と距離が縮まっていく様子が、見ていて面白いです。
最初は敬語で話していたのに、次第にため口になり、でも急に敬語に戻ったり(笑)。

お二人とも、それぞれの分野で才能を発揮され、
自分のポジションというものを確固とされている方だと思うのですが、
その作品とは裏腹に、ご自身の私生活は、

良い表現なら自然体、口悪く言うなら自堕落な生活を送っているような気がします。

そのあたりの、自分の私生活も垣間見せながらの対談は、
気取らない大人の女性の余裕を見せてくれて、
お気楽独身生活をしている私にとっては、励みになりました(爆)。」

室井さんの実家・富山に行ったり、宮部さんの仕事場に行ったりして、
それぞれの人生観や個人の歴史も知ることができ、興味深かったですが、
でも、個人的には、乗り合わせたタクシー運転手がヤバかった!という
下世話な話が異常に面白かったです。
なんで、こんなに、ヤバい運転手に当たってしまうのかという(笑)。
まぁ、一般人とは、タクシーの利用頻度が違うでしょうから、

必然的に変な運転手に当たってしまうことが多くなるのだとは思いますが。

作中に、室井さんが習作として書いた短編が2作載っていますが、
本人が書き直したという渾身の一作の方よりも、
私は、最初の案の方が好みでした。
少なくとも、主人公の思考回路や言葉遣いに違和感を覚えず、すんなり読めました。
書き直した方は、男言葉を意識しすぎなのか、「こんな話し方する人いないよ」という感想で
一気に醒めちゃいました。
室井さんは、主人公を女性から男性に変えることで客観視できたような言いぶりでしたが、
私の感想としてあ、女性が主人公の作品の描写や物言いには共感できても、
男性が主人公の手直し版は会話文とか違和感の方が強かったです。
文学の世界では、室井さんは、小説家ではなくエッセイストなんだなぁということを
実感できる内容でした。

そして、対談からは、面白い人生を送っている人には、
面白い人生を送っている人が寄ってくるという、
そういうことを実感できた本です。

面白い人に、「こいつ面白いなぁ、また会いたいなぁ」と思わせるには、
自分自身が面白い日々を送っている必要があり、
つまりは、レベルの高い人にはレベルの高い人が興味を持つという
そういう公式を分かりやすく理解できる本でした。




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『超訳ニーチェの言葉』
- 2019/12/28(Sat) -
フリードリッヒ・ニーチェ著、白取春彦訳 『超訳ニーチェの言葉』(ディスカバー)、通読。

ニーチェの言葉が多数紹介されています。

「超訳」というタイトル通り、たぶん、かなり意訳されているのだと思いますが
その分、読みやすくなっています。

ただ、今の私には、あんまり刺さってくる言葉がなかったです。

訳の問題というよりは、
多分、今の私のステイタスが、あんまりニーチェを求めていなかったのではないかと思います。
また別のタイミングで読んだら、染み入ってくるかもしれません。




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『「関係の空気」「場の空気」』
- 2019/12/26(Thu) -
冷泉彰彦 『「関係の空気」「場の空気」』(講談社現代新書)、読了。

私は村上龍氏が主宰するメルマガ「JMM」の読者ですが、
著者のUSAレポートを、いつも楽しみにしています。
基本的に、米政権が対峙している諸課題について、日本国内の報道とは違って
真相はどういうことなのか、米国内ではどう報道されているのかという観点で解説され、
丁寧な分析により、米国の政治状況についてそれほど詳しくなくても理解することができます。

その印象しかなかったので、ブックオフの本棚で著者名を見つけて、
政治関係の本だろうと思い込んで買ってきたら、
日本語文化における「空気を読む」ということの解説書でした。

「あれ?政治の話じゃないの?」と拍子抜けしてしまいましたが、
著者プロフィールを読むと、米国で日本語を教えているようで、
むしろ本作のテーマの方が本業なのかな?

日本語では表現を短縮すると共感性が強くなる・・・・というような指摘は
確かにそうなのだと思いますが、でも、政治の話を期待していたので
「キムタクが・・・・」とか書かれてしまうと、その軽さが目立ってしまってます。

途中、パパ小泉のぶら下がり取材における若手記者との会話の応酬の妙技について
解説がなされていましたが、これは納得!
父親と息子・娘のような年齢差がある首相と若手記者のやり取りなので、
です・ます調の言葉遣いと、フランクな語り掛けとを上手くミックスさせて
絶妙な距離感を演出していたというのは、当時を思い出して、なるほどなぁと思いました。

最近、小泉ジュニアが大臣になったので、記者に囲まれて取材を受けている様子をテレビの報道で見て、
そのしゃべり方に結構違和感を覚えていたのですが、その理由が分かりました。
進次郎氏って、囲み取材の席で、結構ため口でしゃべりますよね。
最初は、父親のコピーだと思ってたのですが、パパ小泉では感じなかった不快感を覚えてしまうんですよね。
その理由が、本作の分析に従うと、そんなに年齢が違わない若手記者に対して
上から目線でため口でしゃべっているような印象を与えてしまうのかなと。
パパ小泉と若手記者なら父子の年齢差なので、ウィットに富んだやりとりなら
微笑ましくさえ見えてしまうのに、兄弟程度の年齢差しかないと
長兄が弟妹たちに対して、権威の笠を着て上から目線で説教を垂れているように見えてしまうのかなと。
まぁ、しゃべっている内容の中身の無さも大きな原因だとは思いますが(苦笑)。

本作では、変に、創作の会社内での上司・部下の会話とかで解説せずに、
全編通して政治家による生の言葉を使った解説をしたら
著者らしい興味深い本になっただろうに・・・・と思えてしまい、残念でした。




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『お魚おもしろ雑学事典』
- 2019/12/25(Wed) -
大洋漁業広報室 『お魚おもしろ雑学事典』(講談社文庫)、読了。

現在のマルハの広報部が出した本。

総合水産加工会社なだけあって、
幅広なお魚の話が展開されています。
生態の話だけでなく、鮮度の見分け方とか、美味しい食べ方とか
実用的な情報が多いのが特徴です。

むしろ、熱帯魚の話とかはカットしてしまって、
食卓に上る魚介類の話に限定した方が
より会社の色が出せたのではないかなと思いました。




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『吾輩はシャーロック・ホームズである』
- 2019/12/24(Tue) -
柳広司 『吾輩はシャーロック・ホームズである』(角川文庫)、読了。

著者のイメージは、最近、D機関シリーズで固まってしまっていたので、
「夏目漱石がロンドン留学中に精神を崩して自らをシャーロック・ホームズと思い込んでしまった」
というハチャメチャな設定を知り、一瞬「えっ?」と思ってしまいましたが、
そういえば、最初に読んだ作品ではダーウィンが殺人事件の犯人探しをしていたと思い出し、
歴史上の人物に謎解きさせるのが得意な人だった!と納得。

本作では、自らをホームズだと思い込んでいる心神喪失の夏目漱石が参加した
交霊会での毒殺事件の謎解きが話の軸となっていますが、
正直私には、謎解き自体には興味を惹かれませんでした。

むしろ、夏目漱石がなぜ国費留学した先のロンドンで心神喪失状態になってしまったのか
その過程を描写したくだりに興味が向かいました。
近代化に向かったばかりの後進国・日本から世界最先端のロンドンに来て、
先進性の違いに愕然としたり、人種差別を受けたり、国費留学というプレッシャーに押し潰されたり、
それはもう、大変な2年間だったと思います。

心のバランスを崩して、自分をシャーロック・ホームズだと思い込んでしまうという設定は
最初は、単に話を面白くするために、殺人事件との絡みを作るためのものかなと思ってましたが、
後半で、その理由が述べられており、「あぁ、なるほどなぁ」と納得しました。
なぜホームズだったのかという点で、納得がいきました。

本作は、ホームズ作品を読んでいれば、もっと楽しめたと思うのですが、
実は一作もホームズ作品を読んだことのない私には
浅い読書となってしまったかもしれません。




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『逢魔が時に会いましょう』
- 2019/12/23(Mon) -
荻原浩 『逢魔が時に会いましょう』(集英社文庫)、読了。

荻原作品って、モノノケだったり幽霊だったり
そういう異界と人間界の境目に居そうなものを好んで扱いますよね。
そんなに怖くなくて、逆にホロリとさせられることが多いので、安心して読めます。

本作では、モノノケが居るのか居ないのか知りたいと研究する准教授と、
就職に失敗し院に逃げようとしている女子大生の助手のコンビが、
日本の田舎にフィールドワークに行くというお話3つ。
座敷童、河童、天狗と、日本古来の由緒正しきモノノケが登場してきます。

准教授と助手のコンビは、凸凹コンビでクスっと笑えるお気軽さ。
一方で、モノノケの話の方は、なぜそのような伝承が生まれてきたのかという
歴史や文化の筋から解説した民俗学的内容が興味深く、
軽いタッチで濃い内容を伝えてくれていると思いました。

助手が准教授のどこに惹かれたのかは正直謎でしたが(笑)、
これだけ一緒に怖い思いをしてきたら、まぁ、そうなっちゃうのかな。

日本の歴史や文化の厚みを手軽に感じさせてくれる作品でした。




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『TEDに学ぶ最強のプレゼン』
- 2019/12/22(Sun) -
アカッシュ・カリア 『TEDに学ぶ最強のプレゼン』(SB文庫)、読了。

TEDでプレゼンした人の事例が簡単に知れるかな?と
軽い気持ちで買ってきたのですが、相手に伝わるプレゼンをするために
何を考えるべきか、どういう技術を使えるかという、具体的なノウハウが
非常に分かりやすく解説されており、良い本でした。

私自身、仕事で英語を使っていたころに、
リスニング力の向上や、実際の英会話のフレーズを勉強したくて
通勤途中にTEDをよく聞いてました。

その時に感じたのは、何を伝えるかということももちろん大事ですが、
それをどうやって伝えるのか、そして伝えたい相手に興味を持ってもらうために
どのような工夫をするのか、というところに、多大な労力を割いているであろうことが分かり
アメリカのような多様な人々が暮らす国では、必須の能力なんだろうなと思いました。

そんな「よりよく伝える」ためのテクニックが簡潔に整理されており、
また、具体的なTEDでのプレゼン内容も事例紹介されており、
分かりやすいし、読んでいて面白かったです。

本作自体が、上手なプレゼンの見本でした。




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『ついこの店で買ってしまう理由』
- 2019/12/21(Sat) -
博報堂パコ・アンダーヒル研究会、小野寺健司、今野雄策 『ついこの店で買ってしまう理由』
                                             (日経ビジネス人文庫)、読了。
店内における来店者の行動分析を行い、
より魅力ある店づくりをしようという教えの本です。

パコ・アンダーヒルという研究者の考え方がベースになっているようですが、
本作は、その研究者の日本での活動窓口になっているような博報堂のチームが
書いたものになります。
そのため、解説内容が日本仕様になっており、分かりやすいです。

1つ1つの解説文章も簡潔にまとめられており、読みやすいです。
無駄がない説明です。
また数字を使った説明も多く、説得力があります。
店内の見せ方以外に、プレゼンの仕方の勉強にもなります。

独特なタッチのイラストも、印象に残るものが多く、
この手の本ではあまりイラストに興味を持ったことが無かったのですが、
本作ではどのページもちゃんとイラストを見てました。

パコ・アンダーヒル氏自身の著作は別途あるようなので、
そちらも読んでみたいと思います。



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