『ナイト・ミュージアム2』
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- 2019/08/31(Sat) -
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『ナイト・ミュージアム2』
第一作に続いて続編も観てみました。 自然史博物館の改装に伴いお払い箱になった展示物たちは、 スミソニアン博物館の地下倉庫に運ばれます。 ところが、テナガザルが魔法の石板をスミソニアン行きの荷物の中に入れたことから 今度はスミソニアンがナイトミュージアムに! そのスミソニアンの展示物の中に、世界征服を企むエジプト王が居て 彼が悪役、それに対するのは警備員と女性初の飛行士イアハート、そして自然史博物館の仲間たち。 なんだか、この対決が、博物館内でわちゃわちゃやってるだけで、 全然、世界征服感がないこじんまりした戦いです(苦笑)。 そしてイアハートも、「冒険したい!」という1点しか頭にないおバカ役。 悪役のエジプト王もすぐに頭に血が上るタイプですし。 お子様向けの分かりやすいキャラ設定という感じですかね。 前作は、離婚した父親とたまにしか会えない息子の親子の物語が 相応にストーリーに重みを与えていたのですが、 本作では、そういう深みを与える要素がなく、 単なるアドベンチャーで終わってしまったのが残念。 そういやぁ、前作の博物館ガイド役の女性はどこ行っちゃったの? ベン・スティラーも、いつの間にか便利グッズ会社の社長になってたりして 住むところにも困っていたのに一気に成金です。 相変わらずCGは凄かったけど、 人間らしい部分の描き方が貧弱になっちゃったのが残念。 |
『猫旅リポート』
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- 2019/08/29(Thu) -
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『猫旅リポート』
全く知らない映画だったのですが、HDDに撮れていたので観てみました。 タイトルから、猫と旅するロードムービーかなと思ったのですが 回想シーンが多くて、あんまり旅の風情は感じられませんでした。 ナナという猫を飼っている主人公。 彼が、ナナの引き取り手を探しに東京から福岡まで車で旅をする話が 一応の軸になっていますが、旅先の話よりも、旅先で回想した昔話の方を 中心に見せていく構成となっています。 主人公の小学校時代、初めて猫を飼った時の思い出とともに出てくるのは 修学旅行中に両親を交通事故で一度に亡くし、修学旅行先から連れ戻されるというシーン。 家族は猫のハチだけに。 そして、主人公を誰が引き取るかで親戚中が押し付け合いの喧嘩をして 最終的に、母親の妹が独身ながらに引き取ることに。ハチは他所へ引き取られます。 高校時代には、ハチが引き取られていった先を訪問しようと夏休みのバイトを頑張っている最中に ハチの訃報の電話を受け、さらには自身も親友に片思いの女の子を取られて失恋。 そして現在、なぜナナの引き取り手を探しているかというと・・・・・・ まぁ、お涙頂戴のストーリーを描くには最も王道で安直な設定です。 猫を可愛がる気持ちはわかりますが、 あまりに簡単に、人間の命が、感動のシーンと引き換えに殺されていくことに、 なんだか虚しさを覚えてしまいました。 若手俳優陣の演技はちょっと苦手なカッコつけな感じ。 脚本のセリフも、「この年代の子がこんな表現使うかぁ?」てな違和感を覚えました。 良かったのは、やっぱり竹内結子さん。 検察官の独身ビジネス・ウーマンというサッパリとした部分と、姉夫婦を若くに失い その息子をこちらも若くして引き取ったという情け深い部分との共存を上手く演じていたと思います。 あと、猫のナナのアテレコをやっていた高畑充希さん。 わたくし、映画を見ている間は、ずっと常盤貴子さんだと思ってました。声、似てません? 終わってからYahoo映画で作品のことを調べたら、高畑さんでした。 結構、上手いと思いました。 そして、もちろん、猫ちゃんの演技はお見事。 どこまでが演技で、どこからが偶然取れたカットなのかはわかりませんが、 アテレコの高畑さんの上手さもあって、名演技でした。 さて、猫好きは、この映画を観て満足できるのでしょうか? お涙頂戴に上手く利用されてるだけような気がしないでもないですが・・・・・。 |
『帰ってきたヒトラー』
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- 2019/08/28(Wed) -
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『帰ってきたヒトラー』
2014年のベルリンの町に突如現れた自称アドルフ・ヒトラー。 TV局を首になった男と偶然出会い、男は再起をかけて物真似芸人ヒトラーを売り出そうとする。 実はわたくし、ヒトラーとかナチスをネタにしたコメディ、好きなんですよね。 かなりセンシティブなテーマなので、絶妙な匙加減が期待されるところですが、 劇場にかかったりTVで放映されたりするものは、ある程度のフィルターチェックを通っているので 安心して笑えます。 本作では、ヒトラーがTVに出るまでの間は、ちょっと間延びした感じでしたが、 TVの生放送番組で演説を始めた瞬間に、本作を作った意図が明確に感じられました。 EUの一員となったことで、移民問題が噴出しているドイツ。 他の人種を排除しようとする空気がなんとなく社会に漏れ伝わってきており、 ちょっと社会を揺さぶる人が出てきたら、一気に右傾化しそうな感覚があります。 そこに登場したヒトラー。 最初は、物真似芸人扱いでTVに出まくりますが、 次第に、その演説内容に共感する若者が出てきて、組織化していきます。 そのスピードは、YouTube等により、かつてとは比べ物にならない速さで進行します。 このあたりの社会が染まっていく空気、コメディタッチではあるものの、 かなり怖い側面を描いており、興味深く見ました。 そして、ドイツの極右政党の本部を訪れたヒトラーは、 軟弱な党員たちの前で、党首を「思想がない」とメッタ斬り。気持ちよいほど(笑)。 空気に染まって支持するのではなく、自分の頭で考えろと、あくまで正論をぶち込んできます。 トランプ大統領は、今の時代を生きる人ですから、発言は(一応彼なりに)気を付けているように 感じますが、彼は演説が上手いですよね。 話す英語は簡単、明瞭で、日本人の私でも聞き取れるぐらいですから、 アメリカ人の教育を十分に受けられなかった階層の人でも理解できる言葉でしょう。 本作を観て、ヒトラーにドイツ国民が陶酔していった様子を実感するとともに、 トランプ大統領が当選した理由も、肌で感じられたような気がします。 エンディングは、もの悲しさと闇にこぼれる様な怖さが共存しており、 ブツっといきなり作品が終わってしまったので(深夜放送なので尺の関係かもしれませんが)、 余計に不気味な余韻を残していました。 |
『日本の祭』
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- 2019/08/27(Tue) -
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柳田国男 『日本の祭』(角川ソフィア文庫)、通読。
先日、図書館で日本の祭りを被写体にした写真集を見たばかりだったので、 「あぁ、そういや積読で祭りの本があったなぁ・・・・」と読んでみました。 日本各地に伝わるお祭りが何を目的としたものなのかとかの解説かなと思ったら、 冒頭、いきなり学生に向けてのくどくどしい説教から始まり、「えっ!?」って感じ。 まぁ、柳田センセイ的には、当時(戦時中?)の学生の姿に思うところがあったんでしょうね。 今の学生を見たら、愕然としちゃうと思いますが(苦笑)。 で、ようやく本題の祭りの話に入っていくわけですが、 想像以上に学問的というか、生活レベルの考察ではなく 民俗学レベルの考察が続くので、レベルが高尚過ぎて議論についていけませんでした。 大事な学問のプロセスを書いていると思うのですが ちょっと読むタイミングを間違ってしまいました。 ![]() |
『徳川家の経営戦略』
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- 2019/08/26(Mon) -
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武光誠 『徳川家の経営戦略』(中経文庫)、読了。
先日の家康の幕府経営論が面白かったので、その流れで読んでみました。 正直、先日の作品の方が面白かったな(苦笑)。 前半は、家康が徳川幕府を開くまでの戦国武将としての知恵の使い方を紹介していますが、 正直そこは、「経営戦略」というほどの組織論ではなかったように思いました。 後半の幕府経営の話の方が、組織運営のノウハウとして興味深く読めましたが、 「経営戦略」という軸でしっかり書き込まれているかというとそれほどでもなく、 普通の歴史解説本と大差ないように思えました。 もうちょっと意識を配って欲しかったなというところです。 例えば読者予定層をサラリーマン社長に据えてみるとか。 あと、8代将軍吉宗の時代で突然終わってしまうのも残念。 むしろ、後半の、将軍の威光が落ちてきた時代の方が、 サラリーマン経営者たちは、幕府経営の難しさから学べることが多いように思うのですが。 ![]() |