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『47都道府県うんちく事典』
- 2019/07/31(Wed) -
八幡和郎 『47都道府県うんちく事典』(PHP文庫)、読了。

お手軽本のようなタイトルだったので気楽に手に取ったら、
結構重たい文章で始まって、「あれ?イメージと違うな」。
表紙を見たら著者名で納得。

この著者の思想の重さと、本の作品の軽さが
どうにもバランスを取れていないような気がして仕方がありません。

入り口は重い文章でしたが、
本文は、47都道府県それぞれについて数ページずつ解説するという
この手の本ではオーソドックスな作りです。

近畿からスタートするのが、著者らしく歴史を踏まえているのだろうなと思います。
そして、各都道府県の解説も、各都道府県の名前が決まった経緯など
歴史を踏まえてるとことが特徴ですが、
でも、郷土料理や観光地についての言及もあり、
やっぱり軽重のバランス感覚がちょっと不思議です。




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『アホー鳥が行く』
- 2019/07/31(Wed) -
伊集院静、西原理恵子 『アホー鳥が行く』(角川文庫)、読了。

伊集院センセとサイバラ画伯のタッグ。
私が読むのは2作目ですが、本作がシリーズ第1作とのこと。
第1作目からギャンブル話満載・・・・というかギャンブル話しかないです(苦笑)。

伊集院センセは、競輪が一番お好きなようですが
競輪って見たことないし(競馬も生では見たことないけどテレビ中継なら見たことあります)、
オリンピック種目にもなってる割には人気が出ないし、
一般人に知られている選手は中野浩一さんぐらいだし、
最も親しみの無いギャンブルかもしれません。
(地元にボートレース場があったので、まだ競艇の方が身近な感じ)

そんな縁のない世界について、個々の競輪選手名や得意なスタイルを詳しく述べながら
どのレースでどんな券を買ったのかという話を展開していきます。
それで、こちらは興味ナッシングなのかと言えばそうでもなく、
1つ1つのレースを通して、なぜ今の競輪業界が不況なのか、顧客離れが進んでいるのかという
そういう分析まで広げており、結構、興味深く読めました。
本物のファンが苦言を呈するときって、本当の正念場だと思いますから。

本作で初めてタッグを組んだという伊集院センセとサイバラ女史ですが、
ギャンブル話にきちんとついていって、前世で賭け友達だったのじゃなかろうかというぐらい。
旦那さんの顔志田さんも登場してきますが、ちょっとレベルが違う印象があります。
伊集院センセのギャンブル好きはギャンブル狂のさらに向こう側に居る感じ。
普通のギャンブル狂は理性をなくしちゃってると思うのですが、
伊集院センセは、理性自身がギャンブルを求めているような感じです。
よりダメ人間(爆)。

伊集院センセや鴨志田さんに囲まれているサイバラ女史。
なぜに、そんな男ばかりを呼び込んでしまうんだぁぁぁぁぁ。
頭イイ人だと思うのに、残念。




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『嫉妬する人、される人』
- 2019/07/30(Tue) -
谷沢永一 『嫉妬する人、される人』(幻冬舎文庫)、読了。

ドカ買いしてきた中の一冊。
内容をほとんどチェックせずに買ってきたので、
タイトルから何となくビジネスシーンにおける身の処し方みたいな
ハウツー本かなと思ってたのですが、
歴史上の人物のエピソードを介して日本人の嫉妬心に関する分析が繰り広げられていて
非常に興味深く読むことができました。

1つ1つのエピソードは、そこまで深掘りされているわけではないですが、
なぜ、天皇制と幕府/将軍体制が共存できたのか、
そして執権とか六波羅探題とかどういう位置づけのものなのかが分かり面白かったです。

正直、大学受験では日本史を選択したものの、鎌倉~室町時代の世の中の動きに
あんまり興味が持てなかったんですよね。
初めて武士が天下を取って作った政府だとか、
その存在価値を頭では理解してても、何が凄いのか腑に落ちてない感じでした。
でも、それを、天皇制と権力関係において対比して説明することで、
非常にスッキリ分かりやすくなるというか、さらに、日本社会の特殊性のようなものが見えてきて
とても興味を持つことができました。

高校の日本史の授業でこの視点を与えてくれたら、当時からもっと興味を持てただろうになと思いつつ
学校教育で、天皇制を軸に歴史を描くのは難しいのかなと思ってみたり。
でも、やっぱり、この統治スキームを考え付いた人は凄いなと。

著者なりに、誰がこのスキームを考えたのかということも推測しながら書いており、
大江広元という名前に、「日本史の教科書にちょこっと出てきたような・・・・・」という
アヤフヤな記憶の読者ですみません・・・・てな感じです。

大江広元以外にも、日本史の教科書ではあまり評価されていないけれど、
日本の統治スキームなり、現在の日本人の心性を作り上げるのに影響があったであろう人々の
紹介があり、そういう人たちの伝記なりなんなりを読んでみたいなと思いました。

教科書の評価とは別に、今の日本人社会の基本を作った人々の半生を
もっと学んでみたいです。




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『パワーロジック』
- 2019/07/29(Mon) -
内藤誼人 『パワーロジック』(SB文庫)、通読。

真っ黒な表紙と、そこに描かれた悪魔のような雰囲気のイラストで、
ちょっとダークな感じのビジネス交渉術が述べられているのかと思って買ってきたのですが、
至ってシンプルな心理学のトピックスが並んでいて、正直、拍子抜け。

心理学の実験の結果を並べても、
実際のビジネス世界での切った張ったの交渉の世界の面白さには到底及びません。

しかも、表紙イラストの印象から、ちょっと捻った内容なのかと思いきや
ストレートな提言ばかりで、初歩的な本を読んでいるような味気無さでした。




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『全思考』
- 2019/07/27(Sat) -
北野武 『全思考』(幻冬舎文庫)、読了。

芸人さんが堅そうなタイトルでエッセイを書いたときは
本気の場合と、内容とのギャップを狙っての場合とがありますが、
本作は前者でした。

それをもって、「あぁ、ビートたけしという人は、もう芸人じゃなく映画監督が本業なんだな」と
ちょっと寂しく思ってしまいました。

本作の構成も映画監督らしい憎い演出がかかっていて、
いきつけの寿司屋の大将による文章が各章に挿入されています。
これが、北野武の文章を受けて、いい味出してるんですよね。
泣ける感じの。

でも、ちょっと演出過多な感じがしてしまうのも確か。
北野武自体の文章も、自分の哲学を真剣に語っているので深いように思いつつも
でも、ちょっとカッコつけすぎのような感覚もあり、
なんだか腑に落ちた感まではいけませんでした。

私が斜に構えすぎてるのかなぁ。

ノスタルジーに浸りすぎというか
現代に対して否定的すぎるような感覚があって、
昔の人が今に対して思いを述べているような感じも受けました。

うーん、なんだかスッキリしなかったです。




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『「こいつは違う!」と言わせる仕事術』
- 2019/07/26(Fri) -
斎藤孝 『「こいつは違う!」と言わせる仕事術』(講談社+α文庫)、読了。

ドカ買いしてきた中の一冊。

タイトルからすると、ちょっと上目を狙ったサラリーマン向けの指南書かと思ったのですが、
サブタイトルの「ビジネスハンドブック」という方がレベル感をよく表していて
要はビジネスマンの入門書的な感じでした。

著者の他の著作を10冊以上読んでいるので、
すでに読んだ内容のものも多く、重複感を覚えてしまいます。
この本を最初に読んだ人にとっては、学ぶべき視点は多いのではないかなと思います。

具体的な行為の方法をわかりやすく書いているので(例えば有名な3色ボールペン活用方法など)、
技術的な指導書のように見えますが、
それよりも、著者がなぜその行為を要求するのかという、
本質的な意味のようなものを考えながら読んでいくと、
得るものは多いなと思います。

ただ、私にとっては、ちょっと食傷感が出てきてしまっているのが残念。




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『集客のルール』
- 2019/07/25(Thu) -
岡本士郎 『集客のルール』(明日香出版社)、読了。

ドカ買いしてきた中の一冊でしたが、
分かりやすい内容で当たりでした。

見開き2ページで、集客に関するルールを約100個掲載しているのですが、
新聞折込チラシとか、求人広告の企業広告活用とか、ショーウィンドウの演出の仕方とか
結構細かい1つ1つのことについて細分化して書いており、
総花的と言われてしまえばそうなのですが、「あぁ、こういう広告アプローチもあるのだな」と
私には気づきの多い本でした。

いろんなことが書かれているので、自社の対応で漏れているものをチェックするのにも便利ですが、
その一方で、根底に流れているのは、「地道にきちんとやるべきことをやる」という心がけだと思います。

どんな集客ツールを利用したとしても、PDCAを回して、きちんと評価と反省をして
それを次に活かす、徹底的に活かすという根性が必要だなと感じました。




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『農家のマーケティング入門』
- 2019/07/22(Mon) -
冨田きよむ 『農家のマーケティング入門』(農文協)、読了。

農家自身が書いた農業経営の本。
書いてある内容は、マーケティングという観点からすると初歩的なことばかりですが、
この本は、農家自身が、自分の体験を踏まえマーケティングについて述べていることが
重要なんだと思います。

ちょっと文章にクセがあるので、好き嫌いは分かれると思いますが、
ある意味、農家の本音が出てるのかなと思います。

一方で、お客様に対して結構辛辣な言葉を吐いており、
富裕層戦略の4つの分類を通して、「ペネトレーション層=最下層=負け犬には近づくな」的な
はっきりした物言いをします。
まぁ、この層は客にするなと言っているので、まだ良しとしても、
イノベータ層を「常に上の階層を意識しているのに、下の階層には目もくれない」とか
そんな言い方しても良いのかしら?とちょっと疑問を持ってしまいます。
経営コンサルが目立とうとして毒舌をふるうのは演出だから良いと思うのですが
実際にお客様と向き合ってる人がこういう表現をすると、
お客様自身が気分を害するのではないかと思ってしまいます。

というわけで、農家がこの本を書く意義は十分にあると思いながらも
その言葉遣いというか、その裏に見え隠れする思想みたいなものに狂気を感じる
そんな本でした。




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『特急ゆうづる3号の証言』
- 2019/07/21(Sun) -
西村京太郎 『特急ゆうづる3号の証言』(角川文庫)、読了。

大阪出張のお供に十津川警部。

表題作は、殺人事件のアリバイ隠しに婦女暴行事件をあえて起こすという
「え、そんな価値観あるの!?」的な、驚きのトリックです(苦笑)。
刑の軽重はあるにせよ、前科者になっちゃったら人生終わりだと思うのですが、
借金地獄に落ちた人は、判断力も鈍ってるということなのでしょうかね。

で、この話が、「やけに真相に早くたどり着いちゃうなぁ・・・・どんでん返しあるのかなぁ?」と
のんきに読み進んでいたら、なんと短編集でした(爆)。

4本の作品が入っていたのですが、
1本は異色の歴史ネタというか、太平洋戦争に突入していく段階の
近衛首相を狙った暗殺事件がテーマ。
まぁ、暗殺事件の構造も安易だし、計画も杜撰で、社会性もなし。
あんまり存在価値のない作品だなぁという印象でした。

他3つは十津川警部でしたが、
表題作で感じたように、「そんな殺人計画立てるか?!?」という感じの
捻りすぎな印象で、リアリティに欠けます。

動機もなんだか共感できないものが多く、
みんな自分勝手だなぁとしか思えませんでした。

最後の解説で、著者の本が500冊を突破したと書かれていましたが、
クオリティはともかく、それだけの量を生み出すエネルギーはすごいなと思います。




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『官僚を国民のために働かせる法』
- 2019/07/20(Sat) -
古賀茂明 『官僚を国民のために働かせる法』(光文社新書)、読了。

古賀作品3つ目。
著者についての評価は、私の中でまだ固まっていません。
官僚制度の改革を打ち出してますが、センセーショナルなのは分かるものの
どれだけ現実味がある政策提言なのかが分からず
本物の改革派なのか、人気取りなのかが判断つきません。

ただ、官僚制度がいかに狡猾に機能しているかという解説は面白いです。
その狡猾さに怒り爆発!というわけではなく、
その狡猾さに学べるところは学んでおこうという感覚(笑)。

政治の世界もビジネスの世界も、
上手くスキームを作ったもん勝ちだと思うんですよ。
上手くスキームを作れば、それによって便益を得る人がたくさんでてきて、
社会全体としてはプラスに向かうと思うんですよね。
一部に損害を被る人がいたとしても、それが社会にとって致命的なものでない限り
プラスマイナスの足し算で評価されるものかなと。
なので、狡猾さがイコール悪いことと結びつくとは私は考えてません。
本作で紹介されてる、官僚が新任大臣を抱き込む手練手管とかは、
自分も何かコトを進めるときに、周囲の人を逃げられないようにしたり
言質を取っておくという技術は使えそうだなと。

ところで、本作で描かれている時代は民主党政権下の話ですが、
事業仕分けとか華々しくやっていた時期に、
著者はなんで官僚機構改革の推進者として登用されなかったのでしょうかね。
仙谷官房長官との軋轢は本作で分かりましたが、
蓮舫さんとかとは接点無かったのですかね?

改革について主張は判るけど、
実現できないなら官僚としての能力はイマイチですよね。
官僚は、努力評価でなく、実績評価であるべきだと思うんですよ。

民主党政権だったのが合わなかったのかなぁ。
自民党政権下ならどうだったのでしょうかね。
でも、”I am not ABE”とかやってた人ですから、ますますダメですかね(苦笑)。




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