『お客の心が読めるメガネ』
|
- 2019/03/28(Thu) -
|
竹内謙礼 『お客の心が読めるメガネ』(かんき出版)、読了。
Amazonの商品写真には付いてないですが、 私がブックオフで見つけた品にはメイド服でメガネをかけた女性の写真が 大きく載った帯がかけられていて、パッと見は「痛い本」だったのですが、 著者名を見て、手に取ってみました。 前に読んだ本も、かなり斬新な設定の会計の本だったので(苦笑)。 本作は、マーケティングや店舗づくりがテーマです。 独立して鞄屋を始めた男性。上手く売り上げを立てることができない日々に、 突然黒縁メガネが現れ、それをかけるとお客の心の声が聞こえるようになるという またまたファンタジーな設定です。 通常、「お客様の意見を取り入れなさい」「お客様は神様です」というような マーケティングの指導がされがちですが、本作は正反対のことを主張します。 「お客様の声を聞き過ぎてはいけない」「お客様は欲望の塊です」と。 なぜ、顧客の声に盲従してはいけないのかを、 コミカルな小説仕立てで解説していきますが、それが非常に分かりやすいです。 もちろん、かなりシンプルかつ誇張して物語にされているので、 現実の世界とは違っているかと思いますが、言わんとしていることは分かりやすいです。 実際、私が作って販売している商品も、 「値段が高い」とか、「種類によって生産量が少ないのは困る」とか、いろいろ言われがちですが そりゃ、その声に対応して儲けが出ればいいけど、利益削ってまですることじゃないもん! と割り切って、無視してます(爆)。 1億円の売上で100万円の利益を出すのと、1千万円の売上で100万円の利益を出すのなら 私は後者を選ぶということです。 その考え方の背中を押してくれる本でした。 昔から言われてきた「お客様は神様です」は、なぜ今の時代に通用しなくなったのか、 その時代背景の変化も解説されていて、納得できました。 自分のところの商品に適したお客様をいかに見つけてきて、 そのお客様を大事にするかが鍵だと思いました。 ![]() |
『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』
|
- 2019/03/18(Mon) -
|
川上徹也 『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』
(クロスメディア・パブリッシング)、読了。 タイトルを見て、「そう!その通りだ!」と思って買ってきたのですが、 では、「価格競争」「品質競争」「広告競争」ではなく、何でライバルに勝つのかというと 「ストーリーだ!」ということで、「あぁ、今更『ストーリー論』か・・・・・」と興味を失ってしまいました。 私の中で「ストーリーの重要さ」を語った本は楠木先生の本まで遡り、 ストーリーの重要さについては、この本で語り尽くされてるんじゃないかなと思ってます。 今や、猫も杓子も「ストーリーが大事だ!」と言っているような感じで、 すでに「ストーリー」という概念さえ、ストーリー性を失っているというか、溢れかえってる感じです。 本作では具体的にストーリーを活用した事例というものが数件紹介されていますが、 良く知られている事例が多いうえに、 よくよく考えると「これって、ストーリーに関する成功事例なの?」と疑問を覚えるものもあり、 なんだか、「ストーリー」という言葉に無理やり収斂させているような感じも。 個人的には、「価格競争」「品質競争」「広告競争」に対する本質的概念として 「誠意」「スピード」「笑顔」みたいな、人間の本質に通じるようなポイントで ビジネスの成功哲学を語ったものを読みたかったなという感じです。 ![]() |
『特急街道の殺人』
|
- 2019/03/15(Fri) -
|
西村京太郎 『特急街道の殺人』(双葉社)、読了。
タイトルから、電車の時刻表を使った王道トリックなのかな?と思いましたが、 各地からの特急が到着する高岡駅を中心とした事件という意味のタイトルでした。 たまたま北陸旅行をしていた男が立ち寄った観光案内所に、 「私は朝倉一族の末裔だ」とうそぶく女が登場し、 しかも、その男が昔お見合いをした相手だったという 「そんな偶然あるの!?」という設定から物語が始まります。 「朝倉一族の末裔だから、朝倉の遺構を1億円で買いたい」というような 眉唾な話をもちかけるので、詐欺事件か、心の病かという感じですが、 どちらも絡んでくるという(笑)。 詐欺事件の方は、だんだんと大掛かりな話になってくるので 結構、興味深く読んだのですが、 「あれ?こんな話は前に読んだことがあるような・・・・・」 と思ったら、同じく西村京太郎氏の作品でした(苦笑)。 本作は、関係者の嘘のつき方が下手くそだったのが、 詐欺師っぽくなくて、杜撰な感じです。 まぁ、だから詐欺事件は頓挫したのでしょうけれど。 ![]() |